矯正治療がもたらす歯の健康~知られざる6つのメリット
2025年09月23日
矯正治療が歯の健康にもたらす影響とは
歯並びが悪いことで悩んでいる方は多いのではないでしょうか。見た目の美しさを求めて矯正治療を検討する方がほとんどですが、実は矯正治療には見た目の改善だけでなく、歯の健康維持にも大きな効果があります。
歯並びが整うことで、単に見た目が良くなるだけではなく、口腔内環境が改善され、結果として全身の健康にまで良い影響を与えることが近年の研究でわかってきました。
私は東京歯科大学を卒業後、長年にわたり矯正治療に携わってきましたが、患者さんの多くは「見た目をきれいにしたい」という理由で来院されます。しかし治療を終えた後に「虫歯になりにくくなった」「歯磨きがしやすくなった」といった感想をいただくことが非常に多いのです。
今回は、矯正治療が歯の健康にもたらす6つのメリットについて詳しくご紹介します。矯正治療を迷っている方の参考になれば幸いです。
メリット1:虫歯・歯周病のリスク低減

歯並びが悪いと、歯と歯の間に食べかすが挟まりやすく、歯ブラシが届きにくい場所ができてしまいます。そのような場所は虫歯や歯周病の温床となりやすいのです。
歯並びがデコボコになっている状態を「乱ぐい(叢生)」といいます。この状態では、歯みがきの時に歯ブラシが行き届かずに汚れが残りやすく、虫歯や歯周病の原因となります。
矯正治療によって歯並びが整うと、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスが効果的に使えるようになります。その結果、歯垢や歯石がたまりにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが大幅に軽減されるのです。
特に歯が重なっている部分や凹凸がある部分は、日常のケアでは磨き残しが発生しやすいため、矯正によってこうした問題箇所を解消できることは大きなメリットといえます。
患者さんからは「矯正後は歯磨きがしやすくなった」「歯科検診で歯垢の付着が減ったと褒められた」といった声をよく聞きます。歯並びを整えることは、長期的な口腔内の健康維持に大きく貢献するのです。
メリット2:正しい噛み合わせによる咀嚼機能の向上
歯並びが悪いと、食べ物を効率よく噛み砕くことができません。上下の歯がきちんと噛み合っていないと、食べ物を前歯で噛み切り、奥歯ですりつぶすという歯の大切な機能を十分に果たせないのです。
矯正治療によって歯の噛み合わせが良くなると、食べ物を「噛み切る」「噛む」能力が向上します。食べ物を正しく噛むことで効率的に咀嚼できるようになり、以前より食事を楽しめるようになります。
よく噛むことは脳にも良い刺激となり、集中力が増したり、健康維持にも効果的です。実際に矯正治療を受けた患者さんからは「以前より食べ物の味がよくわかるようになった」という感想もよく聞かれます。
噛み合わせと全身の健康の関係
正しい噛み合わせは、単に食べ物を噛むという機能だけでなく、全身の健康にも深く関わっています。噛み合わせが悪いと、顎の筋肉に負担がかかり、それが頭痛や肩こりの原因になることもあります。
また、噛み合わせの不調は顎関節症を引き起こすこともあります。顎関節症になると、顎を動かすたびに痛みを感じたり、口を大きく開けられなくなったりすることがあります。
矯正治療で噛み合わせを改善することで、こうした症状の予防や改善が期待できるのです。
メリット3:発音の改善と明瞭なスピーチ
歯並びや噛み合わせの問題は、発音にも影響を与えることがあります。特に前歯が出ている「出っ歯(上顎前突)」や、逆に下の歯が前に出ている「受け口(反対咬合)」の場合、サ行やタ行などの発音がしづらくなることがあります。
また「開咬」と呼ばれる、噛んでも前歯が噛み合わない状態では、正しい発音ができないことが多いです。このような状態では、前歯で食べ物をうまく噛みきることができないだけでなく、明瞭な発音も難しくなります。
矯正治療によって歯並びや噛み合わせが改善されると、舌の動きや口の形が正しくなり、発音も自然と明瞭になっていきます。これは特に人前で話す機会の多い方にとって大きなメリットといえるでしょう。
私の患者さんの中には、矯正治療後に「以前より話しやすくなった」「発音がはっきりするようになった」と喜ばれる方も少なくありません。
メリット4:顎関節への負担軽減
歯並びが悪く、噛み合わせが不正確だと、顎の関節(顎関節)に負担がかかります。特に片側でばかり噛む癖がついていると、その側の顎関節に過度な負担がかかり、顎関節症を引き起こす原因となることがあります。
顎関節症になると、顎を動かすときの痛みや違和感、口を開けにくい、顎から音がする、といった症状が現れます。ひどい場合には頭痛や肩こりなどの症状も引き起こすことがあります。
矯正治療によって歯並びと噛み合わせが改善されると、顎関節への負担が均等に分散され、顎関節症のリスクが軽減されます。すでに顎関節症の症状がある方でも、矯正治療によって症状が改善されることがあります。
顎関節症と全身症状の関係
顎関節症は単に顎の問題だけではなく、全身にさまざまな影響を及ぼすことがあります。顎関節症が原因で頭痛や肩こり、首の痛みなどが生じることもあるのです。
矯正治療で噛み合わせを改善することで、こうした全身の不調も改善される可能性があります。実際に、矯正治療後に「肩こりが軽くなった」「頭痛の頻度が減った」という報告も少なくありません。
むらせ歯科幕張院では、矯正治療だけでなく、顎関節症に対するスプリント療法も実施しており、顎関節症起因の頭痛や肩こり、顎の痛みなどの改善を見込むことができます。
メリット5:歯の寿命の延長と将来的な医療費の削減

歯並びが悪いと、一部の歯に過度な負担がかかることがあります。例えば、出っ歯の場合は前歯に、受け口の場合は奥歯に過剰な力がかかりやすくなります。このような状態が長く続くと、負担のかかっている歯が早く摩耗したり、歯周病のリスクが高まったりします。
矯正治療によって歯並びを整えることで、噛む力が歯全体に均等に分散され、特定の歯への過度な負担が軽減されます。その結果、歯の寿命が延び、将来的な歯科治療の必要性が減少する可能性があります。
日本歯科医師会が推進している「8020運動」は、80歳で20本以上の歯を保つことを目標としています。矯正治療は、この目標達成のための重要な一歩となるでしょう。
長期的に見れば、矯正治療は将来の歯科医療費を削減することにもつながります。虫歯や歯周病のリスクが減り、歯の喪失を防ぐことができれば、将来的な入れ歯やインプラントなどの高額な治療が必要になる可能性も低くなるからです。
メリット6:心理的効果と自信の向上
矯正治療の効果は、口腔内の健康だけにとどまりません。歯並びが整うことで、笑顔に自信が持てるようになり、心理的にも大きなプラスの効果があります。
歯並びを気にして人前で笑うことに抵抗があった方も、矯正治療後は自然と笑顔が増えることが多いです。笑顔が増えることで対人関係も円滑になり、社会生活の質が向上することも期待できます。
実際に、矯正治療を受けた患者さんからは「以前より明るく笑顔でいられるようになった」「性格、考え方も前向きでいられるようになった」といった声が聞かれます。見た目が変わることで、性格やその後の人生まで変わることがあるのです。
このような心理的な効果は、数値では測れない大きな価値があります。特に、歯並びにコンプレックスを持っていた方にとっては、矯正治療は人生を変える可能性を秘めているといっても過言ではないでしょう。
まとめ:矯正治療は健康投資
矯正治療は単に見た目を美しくするためだけのものではありません。虫歯や歯周病のリスク低減、咀嚼機能の向上、発音の改善、顎関節への負担軽減、歯の寿命の延長、そして心理的効果など、多くの健康上のメリットがあります。
確かに矯正治療には時間とコストがかかりますが、長期的な視点で見れば、それは将来の健康と幸福のための投資と考えることができます。特に子どもの矯正は、成長期に適切な時期に行うことで、より効果的な治療が可能になります。
むらせ歯科幕張院では、透明なマウスピースを用いた目立ちにくい矯正治療や、お子さんの成長に合わせた段階的な矯正治療など、患者さん一人ひとりに合った治療法をご提案しています。矯正治療に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
歯並びの改善は、見た目の美しさだけでなく、生涯にわたる口腔内の健康と全身の健康につながる大切な一歩です。あなたの健康な未来のために、矯正治療を検討してみませんか?






