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矯正装置を目立たせない選択肢|審美重視の矯正治療Q&A

2025年12月15日

矯正装置を目立たせない選択肢|審美重視の矯正治療Q&A

矯正治療を始めたいけれど、装置が目立つのが心配な方へ

「歯並びを整えたい」と思いながらも、矯正装置が目立つことへの不安から治療をためらっている方は少なくありません。

仕事で人前に立つ機会が多い方、接客業に従事されている方、学生の方など、さまざまな立場の方が「矯正装置を付けている姿を見られたくない」という悩みを抱えています。しかし、近年の矯正治療技術の進歩により、目立ちにくい装置を選択できる時代になりました。透明なマウスピースや歯の裏側に装着する装置など、審美性を重視した治療法が次々と登場しているのです。

本記事では、矯正装置を目立たせない選択肢について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。歯科医師の視点から、あなたに最適な矯正治療法を見つけるためのヒントをお伝えしていきます。

目立たない矯正装置の種類と特徴

審美性を重視した矯正治療には、主に3つの選択肢があります。

それぞれの装置には独自の特徴があり、患者さんのライフスタイルや歯並びの状態によって最適な選択肢が異なります。ここでは、各装置の詳細について見ていきましょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)の特徴

透明なマウスピースを用いた矯正治療は、現在最も人気の高い目立たない矯正方法です。

世界的に高いシェアを誇る「インビザライン」をはじめとするマウスピース型矯正装置は、透明で目立ちにくく、取り外しが可能という大きな利点があります。食事の際には装置を外せるため、これまでと変わらず食事を楽しむことができ、歯磨きや装置の洗浄も簡単に行えます。

装着時の違和感も最小限に抑えられており、口内の快適性を保ちながら治療を進められる点が特徴です。ただし、装着時間をしっかり守ることが治療成功の鍵となります。1日20時間以上の装着が理想とされており、自己管理が重要になってきます。

裏側矯正(舌側矯正)の特徴

歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着する裏側矯正は、「見えない矯正」の代表格です。

装置が歯列の裏側に完全に隠れるため、正面から見た際にはほとんど気づかれることがありません。特に上顎に関しては装置が完全に見えないため、目立たないというよりは「見えない」と表現した方が正確かもしれません。マウスピース矯正も目立ちにくいですが、至近距離で見れば透明な装置の存在に気付くことがあります。その点、裏側矯正は外見上の変化がほぼゼロという大きなメリットがあります。

一方で、舌が装置に触れることによる違和感や発音への影響が生じる可能性があります。また、治療費用が他の方法と比較して高額になる傾向があることも考慮すべき点です。

審美ブラケット・ホワイトワイヤーを用いた表側矯正

従来のワイヤー矯正でも、審美性を高めた装置を選択できます。

白色やゴールド色のワイヤー、サファイヤ製やセラミック製のブラケットを使用することで、金属色が目立つ従来の装置と比べて大幅に審美性が向上します。白いコーティングを施したワイヤーは歯の色と自然に馴染み、ゴールド色のワイヤーは皮膚の色と調和します。セラミック製のブラケットは天然歯に近い色をしているため違和感が少なく、サファイヤ製のブラケットは透明感が強く、ベースにある歯の色がそのまま透けて見えることで審美性の低下を防いでいます。

表側矯正は治療実績が豊富で、幅広い症例に対応できる信頼性の高い方法です。費用面でも裏側矯正やマウスピース矯正と比較して抑えられる傾向にあります。

マウスピース矯正のメリットとデメリット

透明なマウスピースを使った矯正治療には、多くの利点がある一方で、いくつかの注意点も存在します。

治療を検討する際には、両面をしっかりと理解しておくことが大切です。ここでは、マウスピース矯正の具体的なメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

マウスピース矯正の主なメリット

透明で目立ちにくいことが最大の利点です。

装着していても周囲に気づかれにくいため、仕事やプライベートでの見た目を気にせず治療を進められます。取り外しが可能なため、食事の際には装置を外して普段通りに食事を楽しめます。歯磨きも通常通り行えるため、口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクを抑えられます。

金属を使用していないため、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。また、ワイヤー矯正と比較して口内を傷つけるリスクが低く、口内炎の発生を抑えられます。治療中の痛みも比較的少ないと報告されており、快適性の面で優れています。

さらに、マウスピースにホワイトニングジェルを入れることで、矯正と同時にホワイトニングも行えるという利点があります。アプリを活用することで、歯の移動軌跡をスライドショーで確認でき、治療の進捗を視覚的に把握できる点も魅力です。

マウスピース矯正のデメリットと注意点

装着時間の管理が治療成功の鍵となります。

1日20時間以上の装着が必要とされており、装着時間が不足すると予定通りに歯が動かず、治療期間が延びる可能性があります。自己管理能力が求められるため、装置を外したまま忘れてしまうことがないよう注意が必要です。

また、すべての症例に適用できるわけではありません。歯の大幅な移動が必要な場合や、骨格的な問題を伴う症例では、マウスピースのみでは対応が難しいケースがあります。軽度から中等度の歯並びの乱れに適しており、重度の症例ではワイヤー矯正の方が適している場合があります。

治療期間については、一般的に2年から3年程度かかることが多く、症例によってはワイヤー矯正よりも時間がかかる可能性があります。費用面でも、ワイヤー矯正と比較して高額になる傾向があることを理解しておく必要があります。

裏側矯正(舌側矯正)のメリットとデメリット

歯の裏側に装置を付ける裏側矯正は、見た目を最も気にする方に適した選択肢です。

完全に見えない矯正装置として人気がある一方で、いくつかの課題も存在します。ここでは、裏側矯正の具体的なメリットとデメリットについて解説します。

裏側矯正の主なメリット

最大の利点は、装置がほぼ完全に見えないことです。

歯の裏側に装置を装着するため、正面から見た際には矯正治療中であることがほとんど分かりません。人前で話す機会が多い職業の方や、見た目を特に重視される方にとって理想的な選択肢となります。マウスピース矯正のように装着時間を気にする必要がなく、装置が常に歯に力をかけ続けるため、確実に治療を進められます。

また、表側矯正と同様にワイヤーの力で歯を動かすため、複雑な症例にも対応できる治療法です。幅広い歯並びの問題に適用可能で、治療の確実性が高いという特徴があります。

裏側矯正のデメリットと注意点

舌が装置に触れることによる違和感が生じやすい点が課題です。

装置が舌側にあるため、話す際や食事の際に舌が装置に当たり、慣れるまでに時間がかかることがあります。発音に影響が出る可能性もあり、特に治療開始直後は話しづらさを感じる方もいます。ただし、多くの場合、数週間から1ヶ月程度で慣れてくることが報告されています。

費用面では、裏側矯正は技術的に高度な治療法であるため、表側矯正やマウスピース矯正と比較して高額になる傾向があります。また、歯磨きがやや難しくなるため、口腔内の清潔を保つための丁寧なケアが必要です。

治療期間については、表側矯正と同程度かやや長くなることがあります。装置の調整にも専門的な技術が必要となるため、裏側矯正の経験が豊富な歯科医師を選ぶことが重要です。

審美ブラケット・ホワイトワイヤー矯正のメリットとデメリット

従来の表側矯正でも、審美性を高めた装置を選択することで目立ちにくくできます。

セラミックやサファイヤ製のブラケット、白色やゴールド色のワイヤーを使用した矯正治療は、金属色の装置と比べて大幅に審美性が向上しています。ここでは、審美ブラケットを用いた矯正治療の特徴について見ていきましょう。

審美ブラケット矯正の主なメリット

治療実績が豊富で信頼性が高いことが大きな利点です。

表側矯正は長年の歴史があり、多くの症例に対応してきた実績があります。セラミックやサファイヤ製のブラケットを使用することで、従来の金属ブラケットと比べて大幅に目立ちにくくなります。白色のワイヤーは歯の色と自然に馴染み、ゴールド色のワイヤーは肌の色と調和するため、審美性が向上します。

費用面では、裏側矯正やマウスピース矯正と比較して抑えられる傾向にあります。装置が常に歯に力をかけ続けるため、治療期間も比較的短く済むケースが多く、1年から3年程度で治療が完了することが一般的です。

また、装置の取り外しができないため、装着時間を気にする必要がなく、確実に治療を進められます。幅広い症例に対応可能で、重度の歯並びの乱れにも適用できる点が特徴です。

審美ブラケット矯正のデメリットと注意点

裏側矯正やマウスピース矯正と比較すると、やや目立つ点が課題です。

審美性を高めた装置を使用しても、至近距離で見れば装置の存在は分かります。完全に見えない裏側矯正や、ほぼ透明なマウスピース矯正と比べると、審美性の面では劣ります。

装置が歯の表面に付いているため、食べ物が溜まりやすく、歯磨きに注意が必要です。虫歯や歯周病のリスクを抑えるため、丁寧な口腔ケアが求められます。また、装置やワイヤーが口内を傷つけ、口内炎を引き起こす可能性があります。

セラミックやサファイヤ製のブラケットは、金属製のブラケットと比較して強度がやや劣るため、破損のリスクがあります。硬い食べ物を噛む際には注意が必要です。

矯正治療の流れと期間について

矯正治療を始める際には、いくつかのステップを経て治療が進んでいきます。

治療の流れを理解しておくことで、安心して治療に臨むことができます。ここでは、一般的な矯正治療の流れと、それぞれの段階で必要な期間について解説します。

矯正相談から治療開始までの流れ

まずは矯正相談から始まります。

歯並びの不安や疑問点について歯科医師に相談し、最適な矯正治療プラン、治療時期、費用などについて詳しい説明を受けます。相談の結果、治療を進めることを決めた場合、次に資料取りの段階に進みます。

資料取りでは、現在の口の状態や身体の状態を詳しく把握するための検査を行います。口や顔の写真撮影、レントゲン撮影、口の中のスキャンなどが実施されます。資料取りから約2週間後、診断の段階に進みます。診断では、資料の診断結果について詳しい説明があり、現在の歯並びや口の状態、治療の流れ、費用などについて案内されます。

診断の結果を踏まえて、実際の治療に移ります。永久歯が生え揃う前のお子様の場合、予防矯正から始める場合があります。成人の方や永久歯に生え変わったお子様は、本格矯正の段階に進みます。

治療期間と通院頻度

治療期間は症例や選択する装置によって異なります。

マウスピース矯正の場合、平均的な治療期間は2年から3年程度とされています。軽度の歯並びの乱れであれば、1年から1年半程度で終わることもあります。ワイヤー矯正の場合、平均的な治療期間は1年から3年程度が一般的です。

通院頻度については、ワイヤー矯正の場合、月に1回程度の通院で歯科医師がワイヤーを調整します。マウスピース矯正の場合も、同様に月に1回程度の通院で治療の進捗を確認します。治療期間は個人差があり、歯並びの状態や治療の難易度によって大きく変わってきます。

治療終了後は、メンテナンス・保定治療の段階に入ります。きれいに並んだ歯並びを維持するための治療で、保定装置を用いたメンテナンスが必要になります。歯は加齢とともに徐々に動く傾向があるため、長期的な維持管理が重要です。

矯正治療中の口腔ケアと注意点

矯正治療を成功させるためには、治療中の口腔ケアが非常に重要です。

装置を装着している間は、通常よりも虫歯や歯周病のリスクが高まります。ここでは、矯正治療中に注意すべき点と、効果的な口腔ケアの方法について解説します。

虫歯・歯周病予防の重要性

矯正治療を始める前に、口内環境を整えることが何よりも重要です。

虫歯や歯周病がある状態で矯正治療を開始すると、治療中に症状が悪化する可能性があります。そのため、矯正治療を始める前には、虫歯や歯周病がないかしっかりとチェックし、必要があれば病気の治療から始めることが推奨されます。

矯正装置を装着すると、歯の表面に装置が付いているため食べ物が溜まりやすくなります。また、歯が磨きにくくなるため、虫歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがって、歯磨きを適切に行い、口の中を常に清潔に保つことが大切です。

マウスピース矯正の場合は、装置を取り外して歯磨きができるため、口腔内を清潔に保ちやすいという利点があります。一方、ワイヤー矯正の場合は、装置の周りを丁寧に磨く必要があり、歯間ブラシやフロスを活用した細やかなケアが求められます。

矯正治療に伴う一般的なリスクと副作用

矯正治療にはいくつかのリスクや副作用が伴います。

装置を装着した後しばらくは、違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間から1、2週間で慣れてきます。歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。

治療中は装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。歯を動かすことにより、歯根が吸収して短くなることや、歯肉がやせて下がることがあります。

ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことや、歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。装置により金属等のアレルギー症状が出ることもあります。治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。

装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物の一部が破損する可能性があります。治療終了後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや噛み合わせの「後戻り」が生じる可能性があります。

小児矯正における目立たない選択肢

お子様の矯正治療においても、審美性を考慮した選択肢があります。

子供の矯正治療は、大きく分けて「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階に分かれます。それぞれの段階で使用する装置や治療の目的が異なります。ここでは、小児矯正における目立たない治療法について解説します。

Ⅰ期治療における歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)

お子様の歯並びが悪くなる原因には、口の使い方の癖による口腔周囲筋の機能不全があります。

口を閉じている間に舌先が歯の裏に当たってしまう「舌癖」、食事を飲み込む際に舌が前側に出て行ってしまう「逆嚥下」、日常的に口を開けたまま呼吸をしてしまう「口呼吸」などが、歯並びを悪化させる主な原因です。

Ⅰ期治療では、こうした習慣を矯正するために「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」という方法で改善していきます。この装置は、歯を直接動かすのではなく、習慣の改善から歯並びを悪化させないようにするトレーニングを通じて理想の歯並びに近づけていきます。

マイオブレースは取り外し可能な装置で、1日2回、10から20分使用することで、顎の成長を促し、歯が生えるのに必要なスペースを確保します。お子様にほとんど負担をかけずに済む点が特徴です。

Ⅱ期治療における目立たない選択肢

Ⅰ期治療で矯正を終えることが理想ですが、状況次第ではⅡ期治療が必要となる場合があります。

「歯並びが悪い」「歯が回転してねじれた状態で生えてきた」「上下の歯がうまく噛み合わない」などのトラブルに見舞われた場合、Ⅱ期治療に移行します。Ⅱ期治療では、成人の矯正治療と同様に、マウスピース矯正や審美ブラケットを用いた矯正など、目立たない選択肢を選ぶことができます。

お子様の場合、学校生活や友人関係において見た目を気にすることが多いため、目立たない装置を選択することで、心理的な負担を軽減できます。透明なマウスピースや歯の色に近いブラケットを使用することで、矯正治療中であることを周囲に気づかれにくくなります。

矯正治療の費用と支払い方法

矯正治療を検討する際、費用は重要な判断材料の一つです。

治療法によって費用が大きく異なるため、事前に費用の目安を把握しておくことが大切です。ここでは、各矯正治療法の費用相場と、支払い方法について解説します。

各矯正治療法の費用相場

矯正治療の費用は、選択する装置や症例の難易度によって異なります。

予防矯正の場合、費用は440,000円程度が一般的です。本格矯正では、唇側マルチブラケット矯正(ワイヤー型)が770,000円から880,000円程度、マウスピース矯正(インビザライン)が880,000円から1,100,000円程度となります。これらの費用は患者さんによって異なる場合があります。

裏側矯正の場合、技術的に高度な治療法であるため、928,000円から1,020,000円程度と、他の方法と比較して高額になる傾向があります。審美ブラケットを用いた表側矯正は、費用を抑えながらも審美性を高められる選択肢として、548,000円から602,800円程度で提供されることがあります。

これらの費用に加えて、資料取り・診断料として33,000円程度、毎月の再診料として3,300円から5,500円程度が必要になります。治療終了後のメンテナンス・保定治療にも、月々3,300円程度の費用がかかります。

支払い方法と医療費控除について

矯正治療の費用は高額になることが多いため、支払い方法も重要です。

多くの歯科医院では、トータルフィーというわかりやすい料金形態を採用しており、院内分割(無金利)やデンタルローンでの支払いが可能です。デンタルローンを利用する場合、84回までの分割が可能で、12回までは利息0円というプランを提供している医院もあります。

また、矯正治療は医療費控除の対象となる場合があります。医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、確定申告をすることで税金の一部が還付される制度です。矯正治療が医療費控除の対象となるかどうかは、治療の目的や年齢などによって異なるため、詳細は税務署や歯科医院に確認することをおすすめします。

振込みやデンタルローンでの支払いを選択する場合、資料取りまでに支払いを済ませる必要がある医院もあります。支払い方法については、初診相談の際に詳しく確認しておくと安心です。

矯正治療を成功させるためのポイント

矯正治療を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

治療法の選択から日々のケアまで、患者さん自身の協力が治療結果に大きく影響します。ここでは、矯正治療を成功させるための具体的なポイントについて解説します。

自分に合った治療法を選ぶこと

矯正治療を選択する際には、優先順位を明確にすることが重要です。

「目立たない」「安い」「早い」「痛くない」「外せる」「しゃべりやすい」「楽器が吹きやすい」「スポーツをする際邪魔になりにくい」など、どれを一番優先したいのかをあらかじめ考えておきましょう。優先順位が決まれば、自ずと自分に合った目立たない矯正装置の種類も絞られます。

とにかく一番目立たない矯正を求めるのであれば、裏側矯正が適しています。一番安くて目立たない矯正を求めるのであれば、審美ブラケットを用いた表側矯正が選択肢となります。一番早くて目立たない矯正を求めるのであれば、ワイヤー矯正の方が歯の移動が早い傾向があります。

ライフスタイルに合わせた治療法を選ぶことも大切です。仕事で人前に立つ機会が多い方、接客業に従事されている方は、マウスピース矯正や裏側矯正が適しています。自己管理が得意な方はマウスピース矯正、確実に治療を進めたい方はワイヤー矯正が向いています。

定期的な通院と装置の適切な使用

矯正治療には患者さんの協力が不可欠です。

定期的な通院を守ることが治療成功の鍵となります。月に1回程度の通院で、歯科医師が治療の進捗を確認し、装置の調整を行います。通院を怠ると、治療期間が延びたり、治療結果に影響が出たりする可能性があります。

マウスピース矯正の場合、装着時間をしっかり守ることが特に重要です。1日20時間以上の装着が理想とされており、装着時間が不足すると予定通りに歯が動きません。顎間ゴムの使用が指示されている場合は、指示通りに使用することが必要です。

また、口腔内を清潔に保つことも重要です。歯磨きを適切に行い、虫歯や歯周病を予防することで、治療を順調に進めることができます。かかりつけ歯科医に定期的に受診し、口腔内の健康状態をチェックしてもらうことも大切です。

まとめ|あなたに最適な目立たない矯正治療を見つけましょう

矯正装置を目立たせない選択肢は、現在多様に存在します。

透明なマウスピースを用いたマウスピース矯正、歯の裏側に装置を付ける裏側矯正、審美性を高めたブラケットやワイヤーを使用する表側矯正など、それぞれに特徴があります。治療法を選ぶ際には、「目立たない」「費用」「治療期間」「快適性」など、ご自身が何を優先するかを明確にすることが大切です。

矯正治療を成功させるためには、治療法の選択だけでなく、治療中の口腔ケアや定期的な通院、装置の適切な使用が重要です。患者さん自身の協力が治療結果に大きく影響します。また、矯正治療を始める前には、虫歯や歯周病の治療を済ませ、口内環境を整えることが何よりも重要です。

歯並びを整えることは、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせの改善や口腔内の健康維持にもつながります。目立たない矯正装置を選択することで、治療中も自信を持って日常生活を送ることができます。ご自身のライフスタイルや歯並びの状態に合わせて、最適な矯正治療法を選びましょう。詳しい治療内容や費用については、歯科医院での矯正相談をご利用ください。専門の歯科医師が、あなたに最適な治療プランをご提案いたします。

 

大人の部分矯正で前歯改善!失敗しない装置選びの完全ガイド

2025年12月14日

大人の部分矯正で前歯改善!失敗しない装置選びの完全ガイド

大人の部分矯正が注目される理由とは

前歯の歯並びが気になるけれど、全体矯正は費用も時間もかかりすぎる……そんな悩みを抱えている方は少なくありません。

近年、大人の矯正治療において「部分矯正」という選択肢が注目を集めています。部分矯正とは、気になる部分のみ(主に前歯)に装置を装着し、見た目を改善する治療法です。全体矯正と比較して治療期間が短く、費用も抑えられるため、忙しい社会人や主婦の方にも選ばれています。

ただし、部分矯正は「見た目重視の治療」であり、噛み合わせの大幅な改善は期待できません。奥歯が正常に噛み合っていることが前提条件となるため、すべての方に適応できるわけではないのです。

この記事では、大人の部分矯正で前歯を改善したい方に向けて、装置の種類や選び方、費用、治療期間、注意点まで徹底的に解説します。失敗しない装置選びのポイントを押さえて、理想の笑顔を手に入れましょう。

部分矯正と全体矯正の違いを理解する

矯正治療を検討する際、まず理解しておきたいのが「部分矯正」と「全体矯正」の違いです。

全体矯正は、上下すべての歯に装置を装着し、噛み合わせと歯列全体の調和を整える治療です。機能改善と長期安定を重視するため、将来的なトラブル予防にも寄与します。抜歯や骨格の考慮が必要なケースでも対応しやすく、治療期間は約1年半〜3年、費用は約60万〜130万円が一般的です。

一方、部分矯正は前歯など目立つ範囲を限定して整える方法です。費用は約20万〜50万円、期間は約3〜12カ月と、全体矯正よりも抑えられます。ただし、噛み合わせの大幅な改善は期待しにくいのが限界です。

部分矯正が適している症例

部分矯正が適応できるのは、以下のような軽度〜中等度の症例です。

  • 軽度のデコボコした歯並び
  • 軽度の出っ歯
  • 軽度のすきっ歯
  • 軽度の捻転歯(歯が回転したように捻れて生えている歯)

歯並びが悪くても、その状態が軽度であり抜歯の必要が無い場合は、部分矯正を適応できる可能性が高いです。ただし、上の歯が部分的に軽度の歯列不正の場合でも、下の歯の歯並びを一緒に整える必要が出てくる場合などは全体矯正が適しています。

部分矯正が適さない症例

以下のような症例では、部分矯正は適用できません。

  • 重度の叢生(歯が重なり合って凸凹に並んでいる状態)
  • 受け口・開咬(噛み合わせた時に上下の前歯が噛み合わず隙間ができる状態)
  • 重度の出っ歯(抜歯が必要になる場合)
  • 歯並びが左右非対称

重度の叢生の場合、歯を削ってもスペースが確保できないため、部分矯正は適用できません。受け口や開咬は噛み合わせを改善する治療が必要になるため、全体矯正が妥当です。出っ歯についても、スペース確保を行おうとすると更に前歯が前方に出る可能性が高いので、抜歯によるスペース確保が必要になることがあります。

大人の部分矯正で選べる装置の種類

部分矯正で使用される装置は、大きく分けて「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」の2種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の症状や生活スタイルに合った装置を選ぶことが重要です。

ワイヤー矯正(表側・裏側)

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットとワイヤーを装着する最も一般的な矯正方法です。適応範囲が広く、歯を三次元的に動かすことができます。

表側ワイヤー矯正は、歯の表面に装置を付けるため目立ちますが、費用は約20万〜40万円と比較的控えめです。治療期間は約6カ月〜1年が目安です。

裏側ワイヤー矯正は、歯の裏側に装置を付けるため目立ちにくいのが特徴です。ただし、費用は約40万〜80万円とやや高めになります。舌が装置に触れるため、慣れるまで違和感を感じることがあります。

マウスピース矯正(インビザライン等)

マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の矯正装置を定期的に取り換えながら、歯並びを整える治療です。世界的に高いシェアを誇る「インビザライン」が代表的です。

マウスピース矯正の最大のメリットは、透明で目立ちにくい点と、取り外し可能なためお口の違和感を最小限に抑えることができる点です。これまでと変わらず食事を楽しむことができ、マウスピースを外せば歯磨きや装置の洗浄も簡単に行うことができます。

費用は約30万〜60万円、期間は約3〜12カ月が目安です。ただし、器具を正しく装着していなかったり装着時間が守られていなかったりした場合、治療の効果が期待できないことがあります。また、歯の大幅な移動が必要な矯正では、マウスピースのみでは難しい場合もあります。

装置選びで重視すべきポイント

装置選びは、見た目、費用、期間、痛み、通院頻度、適応症例の6軸比較が実用的です。

見た目を最重視なら裏側ワイヤーやマウスピース矯正、費用を抑えるなら表側ワイヤーが現実的です。期間は症例依存ですが、難症例ではワイヤーが有利な場面が多いです。痛みは初期の違和感が共通し、弱い力を継続的にかける設計が快適性につながります。

通院はワイヤーで月1回、マウスピースは1〜2カ月程度が目安です。適応症例では、大きなねじれや抜歯を伴う移動はワイヤーが得意、軽中等度の叢生や前歯の傾きはマウスピースがフィットします。

迷ったら、1つの装置に固執せずコンビネーションや段階的プランも選択肢に入れると失敗リスクを下げられます。

部分矯正の治療の流れと期間

部分矯正の治療は、以下のような流れで進みます。

1. 矯正相談

まずは矯正相談からスタートします。歯並びの不安や疑問点などについて、お伺いし、最適な矯正治療プラン、時期、金額などについて、詳しく説明を受けます。

2. 資料取り(検査)

現在のお口の状態や身体の状態などを詳しく把握するための検査を行います。検査では、お口やお顔の写真の撮影、レントゲン撮影、お口の内のスキャンを行います。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正とでは資料取りの内容が変わる場合があります。

3. 診断

資料取りを行ってから2週間後程度で、再度来院して資料の診断結果についてご説明を受けます。この診断では、患者様の現在の歯並びやお口の状態について詳しく説明があり、治療の流れや費用などについて案内されます。

4. 治療開始

診断の結果を踏まえて、治療に移ります。部分矯正の場合、前歯部分のみに装置を装着します。

治療期間は症例によって異なりますが、早い方では3カ月、通常でも半年〜1年程で治療を終えることができます。全体矯正では2年以上かかることがほとんどですので、短い時間で歯列を整えたいという方におすすめです。

5. メンテナンス・保定治療

きれいに並んだ歯並びを維持するための治療です。歯並びというのは、永久的なものではありません。歯は、加齢変化で徐々にでこぼこがでてくるものです。

アンチエイジングの意味でも、きれいに並んだ歯をずっときれいに維持するためには保定装置を用いたメインテナンスが必要になります。保定期間は治療期間と同程度みるのが安全です。

費用と支払い方法について知っておくべきこと

部分矯正の費用は、装置の種類や治療範囲によって大きく異なります。一般的な相場は以下の通りです。

  • 表側ワイヤー矯正:約20万〜40万円
  • 裏側ワイヤー矯正:約40万〜80万円
  • マウスピース矯正:約30万〜60万円

これらの費用には、装置代、調整料、保定装置代が含まれる場合が多いですが、医院によっては別途調整料(月3,000円〜5,500円程度)がかかることもあります。初回のカウンセリングで費用について詳しく説明してくれる医院を選ぶことをおすすめします。

支払い方法の選択肢

矯正治療は保険適用外の自費診療となるため、費用面も重要な選択ポイントです。多くの医院では、以下のような支払い方法を用意しています。

  • 一括払い(現金・振込・クレジットカード)
  • 院内分割払い(手数料無料の場合が多い)
  • デンタルローン(審査が必要だが、月々の負担を抑えられる)

治療費の総額だけでなく、分割払いの有無や追加費用の発生条件なども事前に確認しておきましょう。

医療費控除の活用

矯正治療費は医療費控除の対象となる場合があります。年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告で一部が還付される可能性があります。領収書は必ず保管しておきましょう。

失敗しない矯正歯科の選び方

矯正治療は2〜3年という長期間にわたる治療です。そのため、適切な歯科医院選びは治療の成功に直結します。

日本矯正歯科学会の認定医が在籍しているか

矯正歯科を選ぶ際、最も重要なポイントが「日本矯正歯科学会の認定医が在籍しているかどうか」です。認定医の資格を取得するには、5年以上の矯正歯科に関する研修と学会の試験に合格する必要があります。

認定医がいる医院では、専門的な知識と技術に基づいた質の高い治療を受けることができます。特に複雑な症例や特殊なケースにも対応できる経験豊富な医師がいることで、治療の成功率も高くなります。

複数の矯正装置を取り扱っているか

矯正装置には、従来のワイヤー矯正(表側矯正)、目立ちにくい裏側矯正、透明なマウスピース矯正など様々な種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の症状や生活スタイルに合った装置を選べることが重要です。

複数の治療法を提案してくれる医院なら、あなたのライフスタイルや希望に合った最適な治療法を選択できます。

治療計画が明確で説明が丁寧か

矯正治療は長期間にわたるため、治療計画が明確であることが非常に重要です。初回のカウンセリングで、治療期間、費用、治療方法、リスクなどについて丁寧に説明してくれる医院を選びましょう。

特に社会人の場合は、仕事や予定などのタイミングも考慮した治療計画を立ててくれるかどうかも確認しておくと安心です。

通院のしやすさと予約の取りやすさ

社会人は仕事で忙しいため、通院のしやすさも重要なポイントです。自宅や職場から通いやすい場所にあるか、診療時間は平日夜や土日に対応しているかなどを確認しましょう。

また、予約の取りやすさも重要です。急なトラブルが発生した際にすぐに対応してもらえるかどうかも事前に確認しておくと安心です。

部分矯正の注意点とリスク

部分矯正には多くのメリットがありますが、注意すべき点やリスクも存在します。

噛み合わせの改善には限界がある

部分矯正は「見た目重視の治療」(審美目的)となります。噛み合せは、主に奥歯が関係していますが、部分矯正で奥歯を動かすことはありません。そのため、お口の機能までの改善は見込めません。

1年後の見た目だけでなく5年後の噛みやすさも軸にすることが大切です。短期の満足と長期の安定を天秤にかけ、生活や予算に合う最適解を選びましょう。

矯正治療に伴う一般的なリスク

矯正治療には、以下のような一般的なリスクや副作用があります。

  • 矯正装置を付けた後しばららくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間〜1、2週間で慣れてきます。
  • 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
  • 治療中は矯正装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。
  • 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
  • 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
  • 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合せの「後戻り」が生じる可能性があります。

これらのリスクを理解した上で、治療を開始することが重要です。

虫歯・歯周病予防への対応

矯正治療を始めるうえで、何よりも重要なのは口内環境維持です。まずは虫歯や歯周病がないかしっかりとチェックし、必要があれば病気の治療から始めることが大切です。

矯正器具も、歯に固定するタイプは特に汚れが付着しやすいことから、虫歯や歯周病を起こすリスクは高くなります。矯正治療を行う病院を選ぶときは、矯正前の口内環境を整える治療行為も重要視しているかも判断材料にするといいでしょう。

まとめ:理想の笑顔を手に入れるために

大人の部分矯正は、前歯の歯並びを短期間・低費用で改善できる魅力的な選択肢です。ただし、すべての方に適応できるわけではなく、奥歯が正常に噛み合っていることが前提条件となります。

装置選びでは、見た目、費用、期間、痛み、通院頻度、適応症例の6軸で比較し、自分のライフスタイルや症状に合ったものを選ぶことが重要です。表側ワイヤー矯正は費用を抑えたい方に、裏側ワイヤーやマウスピース矯正は見た目を重視する方におすすめです。

矯正歯科選びでは、日本矯正歯科学会の認定医が在籍しているか、複数の装置を取り扱っているか、治療計画が明確で説明が丁寧か、通院のしやすさなどを確認しましょう。

部分矯正には噛み合わせ改善の限界や、むし歯・歯周病のリスク増加などの注意点もあります。これらのリスクを理解した上で、信頼できる医院で治療を受けることが、理想の笑顔を手に入れるための近道です。

むらせ歯科幕張院では、透明なマウスピースを用いた矯正治療を提供しています。世界的に高いシェアを誇るインビザラインを導入しており、透明で目立ちにくく、取り外し可能なため口内の違和感を最小限に抑えられます。矯正治療だけでなく、虫歯や歯周病などの治療にも対応しているため、口内環境を整えてから矯正治療を始めることができます。

前歯の歯並びが気になる方は、まずは矯正相談から始めてみませんか?あなたに最適な治療プランをご提案いたします。理想の笑顔を手に入れて、自信に満ちた毎日を過ごしましょう。

 

学校検診で噛み合わせ指摘!保険適用で始める小児矯正相談の完全ガイド

2025年12月13日

学校検診で噛み合わせ指摘!保険適用で始める小児矯正相談の完全ガイド

学校検診で噛み合わせを指摘されたら、どうすればいい?

お子さまが学校から持ち帰った歯科検診の結果用紙に「歯列・咬合の異常」という文字を見つけたとき、多くの保護者の方は不安を感じるのではないでしょうか。

「矯正治療が必要なのか」「費用はどのくらいかかるのか」「保険は使えるのか」……。

そんな疑問が次々と浮かんでくるのは、ごく自然なことです。

実は、2024年6月から学校歯科健診で噛み合わせの異常を指摘された場合、保険適用で矯正相談を受けられる制度が始まりました。これは、矯正治療へのハードルを大きく下げる画期的な制度といえるでしょう。本記事では、東京歯科大学大学院を修了した歯科医師の視点から、学校検診後の適切な対応方法、保険適用の条件、小児矯正の実際について詳しく解説します。

学校歯科検診では何をチェックしているのか

学校で行われる歯科検診は、虫歯や歯並びの乱れといった異常のある児童を大まかにふるい分ける「スクリーニング」です。

歯科医院で受ける定期検診とは性質が異なります。

学校検診では、一人ひとりに十分な時間をかけたり、万全の設備を準備することが現実的に難しいため、疑わしいケースは広く拾い上げる方針がとられています。そのため、学校検診で異常を指摘されなくても、歯科医院の検診で問題が見つかることは決して珍しくありません。逆に、学校検診で指摘を受けても、詳しく診察すると問題ないケースもあります。

検診で評価される3段階の判定基準

学校歯科検診では、各項目について「0:異常なし」「1:要観察」「2:要精検」の3段階で評価されます。

歯列・咬合の状態については、以下のような基準があります。

  • 「0」:特に問題はなく、成長発育の状態を観察する
  • 「1」:現状に問題があるが、顎骨の成長によって問題がなくなる可能性がある
  • 「2」:経過観察をしても改善が期待できず異常が確定している

「2:要精検」と判定された場合、具体的には以下のような状態が該当します。

  • 叢生:隣接歯が互いの歯冠幅径の1/4以上重なるもの
  • 正中離開:上顎中前歯間に6mm以上の間隙
  • 反対咬合:3歯以上の反対咬合
  • 上顎前突:オーバージェット8mm以上
  • 開咬:上下顎前歯切線間に垂直的に6mm以上

ただし、学校検診は流れ作業的な側面があり、これらの基準に厳密に照らし合わせて判断されているわけではありません。正確な診断は、歯科医院でしかできないと考えていただくのが適切です。

学校検診では分からない重要な問題

学校検診では肉眼で目に見える箇所の検査しかできません。

小児の歯並びの問題として、顎の中に埋まっている歯に関する問題が大多数を占めます。腫瘍や嚢胞、過剰歯といった摘出手術が必要な状態、埋伏や異所萌出など永久歯が変な場所に存在し今後大きな問題が予想される状態、永久歯の先天性欠如といったものは、レントゲン撮影なしには発見できません。学校検診で問題なしと判定されても、定期的に歯科医院でレントゲン検査を含む詳しい検診を受けることが重要です。

2024年6月から始まった保険適用の矯正相談制度

令和6年度診療報酬改定により、画期的な制度が始まりました。

学校歯科健診で「歯列・咬合の異常(2:要精検)」を指摘された場合、保険適用で矯正相談を受けられるようになったのです。

これまでは、学校検診で異常を指摘されても、その後の矯正相談や診断にはすべて自費負担が必要でした。しかし、この制度により、どの歯科医院でも保険の中で矯正相談ができるようになりました。中学生までのお子さまの場合、窓口での自己負担金はありません。

保険適用で相談を受けるための条件

保険適用で初診相談と検査診断を受けるためには、学校で発行された「健診結果の報告用紙」が必要です。

この用紙を必ず持参してください。

対象となるのは、学校歯科健診で「歯列・咬合の異常(2:要精検)」という結果を受け取ったお子さまです。「要精検」とは、歯並びや噛み合わせに異常がある可能性があるため、歯科医院で詳しく調べてもらってくださいという意味です。

ただし、この制度で保険適用となるのは「相談のみ」です。矯正治療自体は、特定の条件を満たさない限り、基本的には自費診療となります。

矯正治療自体が保険適用になるケース

小児矯正でも、特定の条件を満たす場合には矯正治療自体が保険適用されるケースがあります。

例えば、重度の顎変形症で上下の顎の成長バランスに問題があり、噛み合わせをはじめ機能面に大きな影響を与える状態にあったり、口唇口蓋裂などの先天的な疾患に当てはまる場合です。これらは見た目以前に機能的な問題を伴うため、治療が「医療的必要性」に基づくものと判断され、保険が適用されます。

2024年4月の診療報酬改定で、保険適用の対象疾患は全66疾患となりました。新たに追加された疾患には、クリッペル・ファイル症候群、アラジール症候群、高IgE症候群、エーラス・ダンロス症候群、ガードナー症候群などがあります。約2年ごとに見直しが行われるため、過去に対象外だった方でも、現在は適用となる可能性があります。

また、永久歯が先天的に6本以上欠損している方、永久歯が3本以上埋伏している方、ホルモン分泌不全性低身長症の方といった特殊な状態の方も、保険で矯正治療が可能です。

ただし、保険適用で矯正治療を行う場合、治療を行う歯科医師が「顎口腔機能診断施設」として認定されていることが条件になります。認定を受けていない医院では保険適用が認められないため、医院選びが重要になります。

小児矯正の2段階治療「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」

子どもの矯正治療は、大きく分けて「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階に分かれます。

歯並びの状態によってはⅠ期治療のみで完了する場合もありますが、お子さまの身体的負担やご家庭の経済的負担を考慮して、Ⅱ期治療に移行することが望ましい場合もあります。

Ⅰ期治療~習慣改善と顎の成長誘導

Ⅰ期治療は、乳歯と永久歯が混在している混合歯列期に行われる治療です。

お子さまの歯並びが悪くなってしまう大きな原因には、噛み合わせや口の使い方の癖による口腔周囲筋の機能不全があります。具体的には、以下のような悪習慣が挙げられます。

  • 口呼吸:日常的に口を開けたまま呼吸をしてしまう
  • 舌癖:口を閉じている間に舌先が歯の裏に当たってしまっている
  • 逆嚥下:食事を飲み込む際に舌が前側に出て行ってしまう

口呼吸をすると、舌が下顎に沿ったまま格納される状態になります。すると、上顎の成長を阻害してしまい、歯並びを悪くさせてしまうのです。また、病原菌が粘膜に直接付着しやすくなるため、風邪を引きやすくなるというデメリットもあります。

舌癖も要注意です。舌が常に歯に触れている状態の場合、歯に不自然な圧力をかけてしまうため、歯が前に出てしまうなどの弊害を生み出してしまう可能性があります。

Ⅰ期治療では、こうした歯並びを悪くしてしまう習慣を矯正するために「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」という方法で改善していきます。これは、歯を直接動かすのではなく、習慣の改善から歯並びを悪化させないようにするトレーニングを通じて理想の歯並びに近づけていく治療法です。

主に骨格に問題がある場合や、個々の歯の位置が悪く、放置してしまうと今後歯並びが悪化する可能性のある場合などが対象となります。大まかに、骨格の不調和を整える治療といえるでしょう。

Ⅱ期治療~本格的な歯列矯正

Ⅱ期治療は、永久歯に生え変わった後に行われる本格的な矯正治療です。

成人の方や、永久歯に生え変わったお子さまが対象となります。

すべての歯に矯正装置を装着し、理想的な歯並び、噛み合わせを目指す治療です。「歯並びが悪い」「歯が回転してねじれた状態で生えてきた」「上下の歯がうまく噛み合わない」などの問題がある場合に必要となります。

Ⅱ期治療の必要性については、確かな経験と実績を持つプロの予測判断に委ねられているところがあります。もし他の歯科医院で「Ⅱ期治療が必要」と言われて不安を抱いたときは、セカンドオピニオンとして別の専門医に相談することをおすすめします。

むらせ歯科幕張院の小児矯正~透明マウスピースと包括的治療

むらせ歯科幕張院では、透明なマウスピースを用いた矯正治療を提供しています。

特に世界的に高いシェアを誇る「インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正装置)」を導入しており、透明で目立ちにくく、取り外し可能なため口内の違和感を最小限に抑えられるという特徴があります。食事を楽しみながら、マウスピースを外せば歯磨きや装置の洗浄も簡単に行える利点があります。

アプリを活用した患者さんとのコミュニケーション

矯正中は歯の移動具合が分かりにくいため、現在までにどの程度の変化があったか知ることができると励みになります。

むらせ歯科幕張院では、患者さんとのコミュニケーションを円滑化するためのアプリを導入し、スライドショーを使って歯の移動軌跡をチェックできるようにしています。これにより、コミュニケーションだけではなくマウスピースの交換時期のお知らせにも役立っています。

虫歯・歯周病治療にも対応

むらせ歯科幕張院では、矯正治療に留まらず、虫歯や歯周病などの治療にも対応しています。

矯正治療を始めるうえで、何よりも重要なのは口内環境維持ですから、まずは虫歯や歯周病がないかしっかりとチェックし、必要があれば病気の治療から始めます。矯正専門のクリニックでは虫歯や歯周病の治療まで対応してくれないケースも多々見られるため、このような対応は珍しいかもしれません。

矯正器具も、歯に固定するタイプは特に汚れが付着しやすいことから、虫歯や歯周病を起こすリスクは高くなります。矯正治療を行う病院を選ぶときは、矯正前の口内環境を整える治療行為も重視しているかも判断材料にするといいでしょう。

顎関節トラブルへの配慮

歯並びが悪い、噛み合わせが悪いという人は、顎の関節にトラブルが見られることがあります。

むらせ歯科幕張院では矯正前の初期治療として、顎関節症などのトラブルを解決するスプリント療法(別途費用11万円・税込)を行い、矯正治療をより効果の高いものにしていくことができます。スプリント療法を実施することにより、顎関節症起因の頭痛や肩こり、顎の痛みや疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの改善を見込むことが可能です。

治療の流れと費用体系

むらせ歯科幕張院での矯正治療の流れは、まず矯正相談からスタートし、資料取り(口の状態や身体の状態を把握するための検査)、診断(資料の診断結果の説明)を経て、治療に移ります。

治療には予防矯正と本格矯正があり、永久歯がすべて生え揃う前のお子さまは予防矯正から始める場合があります。費用は以下の通りです。

  • 資料取り・診断料:33,000円(税込)
  • 予防矯正:440,000円(税込)、再診料3,300円/月
  • 本格矯正(唇側マルチブラケット矯正):770,000円~880,000円(税込)、再診料5,500円/月
  • 本格矯正(マウスピース矯正):880,000円~1,100,000円(税込)、再診料5,500円/月

予防矯正から本格矯正に移行した場合は、330,000円(税込)となります。治療後はメンテナンス・保定治療を行い、きれいに並んだ歯並びを維持します。再診料は3,300円/月です。

歯並びというのは、永久的なものではありません。歯は、加齢変化で徐々にでこぼこが出てくるものです。アンチエイジングの意味でも、きれいに並んだ歯をずっときれいに維持するためには保定装置を用いたメンテナンスが必要になります。

小児矯正を検討する際の重要ポイント

お子さまの矯正治療を検討する際には、いくつかの重要なポイントがあります。

保険適用に該当するかを確認する

お子さまの歯並びの問題が保険適用の対象となるかどうかは、専門医に診断を受けることで確認できます。

早い段階で相談することが重要です。

「先天性疾患」と聞くと、重篤な病気を連想される方も多いですが、実際には軽度で自覚がないまま診断されていたケースも少なくありません。乳児期に一時的な症状があり、病院で診断名がついたが今は問題なく成長している、小児科や他の医療機関で過去に診断されたが家族も忘れてしまっている、永久歯の萌出が進むまで判断できなかった「6歯以上の先天性部分無歯症」など、実は該当するかもしれないパターンが存在します。

こうした背景を踏まえ、まずはお子さまの過去の診断記録を確認することが大切です。また、新たに保険適用に追加される疾患もありますので、昔は保険適用できなかったけれど、今年から適用になるという場合もあります。

自費治療を選ぶ際の注意点

自費治療では、医院選びが治療結果に大きく影響します。

矯正専門医や認定医が在籍している医院を選ぶと安心です。

小児矯正は基本的に保険適用外ですが、成人矯正と比較すれば治療費用は安く済むことがほとんどで、早期治療は将来の歯並びや健康にとって大きなメリットをもたらします。

専門医と治療方針を相談する

お子さまの成長に合わせた治療計画を立てるため、専門医と十分な相談を行い、治療方針を決めましょう。

矯正歯科において、様子見にしましょう、経過観察をしていきましょうと言われることは少なくありません。矯正治療の開始は早ければ早いほど良いというものではなく、歯並びだけでなく顎の成長などを観察しながら、適切なタイミングを見極めることが重要であるためです。

ただし、以下のような症状がある場合には、近い将来に歯並びが乱れる可能性が高いと言えます。

  • 鼻炎がある
  • いびきをかいている
  • うつぶせ寝でないと眠れない
  • いつも口が開いている
  • 立ったとき、座ったときの姿勢が良くない

場合によっては、セカンドオピニオンを利用されることをおすすめします。

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクと副作用

矯正歯科治療には、以下のような一般的なリスクや副作用があることも理解しておく必要があります。

  • 矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2週間で慣れてきます
  • 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります
  • 矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します
  • 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜まりやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります
  • 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります
  • ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります
  • 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります
  • 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合わせの「後戻り」が生じる可能性があります

これらのリスクを理解したうえで、専門医と十分に相談しながら治療を進めることが大切です。

まとめ~学校検診をきっかけに、お子さまの未来の笑顔を守る

学校歯科検診で噛み合わせの異常を指摘されたことは、お子さまの歯並びと健康について考える良い機会です。

2024年6月から始まった保険適用の矯正相談制度により、経済的な負担を抑えながら専門医の診断を受けられるようになりました。学校から受け取った健診結果用紙を持参すれば、中学生までのお子さまは窓口での自己負担金なしで相談を受けられます。

小児矯正は、Ⅰ期治療で口呼吸や舌癖などの悪習慣を改善し、Ⅱ期治療で本格的な歯列矯正を行う2段階のアプローチです。早期に適切な治療を開始することで、お子さまの将来の歯並びと健康に大きなメリットをもたらします。

むらせ歯科幕張院のように、透明なマウスピース矯正を提供し、虫歯や歯周病の治療にも対応し、顎関節トラブルにも配慮した包括的な治療を行う医院を選ぶことで、安心して治療を受けることができます。

歯並びが乱れていると、見た目のコンプレックスだけでなく、噛む機能・喋る機能の低下、歯・歯茎・顎の骨への余計な負担の増加、虫歯・歯周病リスクの上昇といった、さまざまな悪影響が及びます。お子さまの未来の笑顔を守るために、まずは専門医に相談してみてはいかがでしょうか。

むらせ歯科幕張院では、お子さまの歯並びに関する無料相談を実施しています。学校検診で指摘を受けた方も、そうでない方も、お気軽にご相談ください。経験豊富な専門医が、お子さまの成長に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。

 

しゃべり方で歯並びが変わる!?舌機能と小児矯正の深い関係を徹底解説

2025年12月9日

しゃべり方で歯並びが変わる!?舌機能と小児矯正の深い関係を徹底解説

お子さんの「しゃべり方」に、少し気になるところはありませんか?

実は、日常的な発音の仕方や舌の使い方が、歯並びに大きな影響を与えることがあります。小児矯正の現場では、単に歯を動かすだけでなく、舌の機能や口周りの筋肉を正しく整えることが、美しい歯並びを長期的に維持するために極めて重要だと考えられています。

本記事では、東京歯科大学大学院を修了した専門家の視点から、舌機能と小児矯正の深い関係について詳しく解説します。お子さんの歯並びに不安を感じている保護者の方、矯正治療を検討されている方にとって、きっと役立つ情報をお届けできるはずです。

舌の位置と機能が歯並びに与える影響とは

歯並びが悪くなる原因は、遺伝的要因だけではありません。実は、日常的な舌の位置や動き、口周りの筋肉の使い方が、歯並びの形成に大きく関わっているのです。

正常な状態では、舌の先端は上の前歯の裏側からほんの少し後ろにある歯ぐきの膨らみ(「スポット」と呼ばれる位置)に軽く触れています。そして、舌全体が上顎に密着して上がっているのが理想的です。この状態を保つことで、上顎の成長が適切に促され、歯が並ぶためのスペースが確保されます。

しかし、舌が常に下がっている状態(「低位舌」)や、舌が歯と歯の間に挟まる癖(「舌癖」)がある場合、歯に不自然な圧力がかかり続けます。その結果、出っ歯(上顎前突)や受け口、開咬(前歯が噛み合わない状態)などの不正咬合が引き起こされることがあるのです。

口呼吸が歯並びに及ぼす悪影響

口呼吸も、歯並びを悪化させる大きな要因の一つです。

口を開けて呼吸をすると、舌が下顎に沿ったまま格納される状態になります。すると、上顎の成長を阻害してしまい、歯が並ぶためのスペースが不足してしまうのです。また、口呼吸は病原菌が粘膜に直接付着しやすくなるため、風邪を引きやすくなるというデメリットもあります。

鼻呼吸に改善することで、睡眠の質が向上し、体内への酸素供給が増えて集中力も高まります。お子さんの呼吸の仕方を日頃からよく観察してみてください。

舌癖が引き起こす歯並びの問題

舌癖とは、口を閉じている間に舌先が常に歯に触れている状態を指します。

通常、舌先は上の前歯の付け根より少し手前のスポットに当たっているべきですが、舌が常に歯に触れていると、歯に不自然な圧力をかけてしまいます。その結果、歯が前に出てしまうなどの弊害が生じる可能性があります。

また、食事を飲み込む際に舌を前側に突き出してしまう「逆嚥下」も、歯並びを悪化させる要因となります。これらの癖は、お子さん自身では気づきにくいため、保護者の方が注意深く観察することが大切です。

MFT(口腔筋機能療法)で舌機能を改善する

舌の位置や口周りの筋肉の使い方を改善するために、「MFT(口腔筋機能療法)」という訓練法があります。

MFTは、Oral Myofunctional Therapyの略で、お口の周りの筋肉と舌を「正しい機能」に改善する機能訓練法のことです。姿勢と舌の位置の改善を行い、正しい飲み込み方と鼻呼吸の癖をつけて、お口周りの筋肉などの機能を正しく導いてあげることで、悪い歯並びを予防します。

MFTは、単に歯を動かすだけでなく、歯並びが悪くなる根本的な原因を改善するため、矯正治療の効果を高め、後戻りを防ぐ効果も期待できます。矯正装置での治療と並行してMFTトレーニングを行うことで、矯正治療をスムーズに進めることができるのです。

MFTの3つの訓練内容

MFTの訓練内容には、以下の3つの要素があります。

  1. 個々の筋肉の訓練

舌、唇、咀嚼筋など、それぞれの筋肉の機能改善を行います。その際、筋肉の力を強めるだけでなく、緊張しすぎている筋肉をリラックスさせ、全体的にバランスのとれた状態を目指します。

  1. 咀嚼・嚥下・発音・呼吸の訓練

これらの動作をする際、口腔周囲筋(唇・ほほ・あご・舌などの口の周りの筋肉)がかける筋圧を適正化し、正しく動作ができるようにします。それと同時に、歯並びの悪化を防ぎます。

  1. 舌と唇の正しい姿勢の訓練

リラックスしたときに「舌と唇がいつも正しい位置にある」ことを目指します。「正しい位置」とは「筋肉が歯並びに悪影響を与えない位置」です。舌と唇が正しい位置にあるかどうかは、特に歯並びに大きな影響を与えるとされています。

自宅でできるMFTトレーニング方法

MFTには、ご自宅でも簡単に取り組めるトレーニング方法があります。

スポットポジション

普段なにもしていない時や飲み込みをするときに舌の先が触れる位置を覚えます。まず、スティック(アイスクリームの棒など)でスポットを触り、次にスティックを離して同じ場所を舌の先で触ります。このとき、舌の先を丸めないで、舌の脇を締め、先を尖らせることが大切です。これを交互に5回繰り返します。

ポッピング

舌を持ち上げる力をつけるトレーニングです。舌全体を上あごに吸い付け、口を大きく開けて舌の裏のヒモ(舌小帯)を伸ばします。次に舌を下におろし「ポン!」と音を立てます。舌全体が吸い付いていないと軽い音がしてしまいます。これを15回程度繰り返します。

スラープ&スワロー

ものを飲み込む動作、嚥下(えんげ)の練習です。舌を上に付けて飲み込むことと、舌の脇を使って水を奥に集めることを練習します。舌の先をスポットにつけて舌全体を上あごに吸い付け、上の犬歯(糸切り歯)の後ろにストローを置いて、舌の裏側に当てます。そしてそのまま軽く歯を咬みあわせ、スプレーで口の横から奥歯に向かって水を吹き入れ、音を立てて水を吸い込みます。後ろに水を集めたら、奥歯を噛んだままゴクンと飲み込みます。これを左右交互に5回ずつ繰り返します。

小児矯正におけるⅠ期治療とⅡ期治療の違い

子供の矯正治療は、大きく分けて「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階に分かれます。

歯並びの状態によってはⅠ期治療のみで完了する場合もありますが、お子さんの身体的負担やご家庭の経済的負担を考慮して、Ⅱ期治療に移行することが望ましい場合もあります。

Ⅰ期治療〜歯並びを悪くする習慣の改善〜

Ⅰ期治療では、歯並びを悪くしてしまう習慣を矯正するために「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」という方法で改善していきます。

お子さんの歯並びが悪くなってしまう大きな原因には、噛み合わせや口の使い方の癖による口腔周囲筋の機能不全が見出されます。具体的には、口を閉じている間に舌先が歯の裏に当たってしまっている「舌癖」、食事を飲み込む際に舌が前側に出て行ってしまう「逆嚥下」、日常的に口を開けたまま呼吸をしてしまう「口呼吸」などです。

歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)矯正は、歯を直接動かすのではなく、習慣の改善から歯並びを悪化させないようにするトレーニングを通じて理想の歯並びに近づけていきます。取り外し可能なマウスピース型の装置を日中1時間と就寝時に装着し、筋機能療法(口呼吸の改善、適切な舌の位置・舌や口唇の筋肉の動きの習得、適切な飲み込み方を促すトレーニング)を併用します。

Ⅱ期治療〜永久歯の歯並びを整える〜

Ⅱ期治療は、永久歯に生え変わった後に行う矯正治療です。

「歯並びが悪い」「歯が回転してねじれた状態で生えてきた」「上下の歯がうまく噛み合わない」など、Ⅰ期治療だけでは改善できない問題がある場合に必要となります。すべての歯に矯正装置を装着し、理想的な歯並び、かみ合わせを目指す治療です。

Ⅱ期治療には、唇側マルチブラケット矯正(ワイヤー型)とマウスピース矯正(インビザライン)の2種類があります。ワイヤー型は歯にワイヤー型の装置を取り付けて行う治療で、マウスピース矯正は透明なマウスピース型の矯正装置を定期的に取り換えながら、歯並びを整える治療です。

マウスピース矯正の良さは、マウスピースが透明で目立ちにくい点と、取り外し可能なためお口の違和感を最小限に抑えることができる点にあります。これまでと変わらず食事を楽しむことができ、マウスピースを外せば歯磨きや装置の洗浄も簡単に行うことができます。

Ⅰ期治療とⅡ期治療の費用と治療期間

むらせ歯科幕張院では、予防矯正(Ⅰ期治療)が440,000円、本格矯正(Ⅱ期治療)は唇側マルチブラケット矯正が770,000円~880,000円、マウスピース矯正が880,000円~1,100,000円(いずれも税込、患者によって金額は異なる)となっています。

治療期間は個人差がありますが、Ⅰ期治療は1年半~3年程度、Ⅱ期治療は2~3年程度が目安となります。治療後はメンテナンス・保定治療を行い、きれいに並んだ歯並びを維持します。歯並びというのは、永久的なものではなく、加齢変化で徐々にでこぼこが出てくるものです。アンチエイジングの意味でも、きれいに並んだ歯をずっときれいに維持するためには保定装置を用いたメインテナンスが必要になります。

舌小帯短縮症(ハート舌)と歯並びの関係

舌小帯(ぜっしょうたい)は、舌の裏側に位置する粘膜性のひだで、舌下面と口腔底(舌の付け根の内側)をつなぐ帯状の組織です。

先天的にこの舌小帯が短い、または厚く緊張している場合には、舌の動きに制限が生じます。この状態は、医学的には舌小帯短縮症(ankyloglossia)と呼ばれ、日本語では「短舌症」とも表現されます。舌小帯短縮症のある方が舌を前に突き出すと、舌先が中央で引き込まれ、ハートのような形に見えることがあり、これが俗に「ハート舌」と呼ばれるゆえんです。

舌小帯短縮症のチェック方法

舌小帯の異常は、家庭でもある程度チェックすることが可能です。

舌で上唇を舐めることができるか、舌を前に出したときの形を見る(舌を真っすぐ前に出すとき、舌先がV字型、もしくはハート型に分かれて見える場合)、発音の発達の遅れを観察する(幼児期に特定の音が言いにくい、「ら行」がうまく言えない、「た・さ・な」など舌を使う音が不明瞭な場合)などがチェックポイントです。

また、乳児の場合は授乳中の様子を見ることも重要です。吸い付きが弱い、ミルクを飲むのに時間がかかる、母乳を飲んだ後でも満足しない様子が続くなども舌小帯が短いことによる影響かもしれません。自宅でのチェックで気になることがあった場合は、歯科や小児科での診察をおすすめします。

舌小帯切除が必要なケース

舌小帯が短い場合でも、すべてのケースで外科的処置が必要になるわけではありません。

舌の可動域に明らかな制限がなく、日常生活や発達に支障が認められない軽度の短縮であれば、経過観察で対応することが一般的です。しかしながら、哺乳・構音・摂食嚥下機能・顎顔面の成長発育などに明らかな影響が認められる場合には、舌小帯形成術や切除が検討されます。

具体的には、新生児・乳児期の哺乳困難、幼児期以降の発音障害(構音障害)、摂食・嚥下機能への影響、歯列や顎の成長への影響などが挙げられます。舌の低位(舌が下に沈んだ状態)は、上顎骨の発育不足や歯列不正(開咬や叢生など)に関連することが報告されています。成長期の骨格発育や歯列矯正治療に悪影響を及ぼすリスクがある場合、早期の介入が推奨されることもあります。

むらせ歯科幕張院の小児矯正へのアプローチ

むらせ歯科幕張院では、透明なマウスピースを用いた矯正治療を提供しています。

特に世界的に高いシェアを誇るインビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正装置)を導入しており、透明で目立ちにくく、取り外し可能なため口内の違和感を最小限に抑えられるという特徴があります。マウスピース矯正の特徴として、アプリを活用した患者と医院のコミュニケーションが挙げられます。このアプリではスライドショーを使って歯の移動軌跡をチェックでき、マウスピースの交換時期のお知らせにも役立っています。

虫歯・歯周病治療にも対応した総合的なアプローチ

むらせ歯科幕張院は、矯正治療だけでなく、虫歯や歯周病などの治療にも対応しています。

矯正治療を始めるうえで、何よりも重要なのは口内環境維持ですから、まずは虫歯や歯周病がないかしっかりとチェックし、必要があれば病気の治療から始めます。矯正専門クリニックでは虫歯や歯周病の治療まで対応しないケースが多い中、むらせ歯科幕張院ではこれらの治療も行っている点が特徴です。

また、歯並びや噛み合わせの悪さから生じる顎関節トラブルに対しても、初期治療としてスプリント療法(別途費用11万円・税込)を実施することが可能です。これにより、顎関節症起因の頭痛や肩こり、顎の痛みや疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの改善が期待できます。

矯正治療の流れと費用体系

矯正治療の流れは、まず矯正相談からスタートし、資料取り(口の状態や身体の状態を把握するための検査)、診断(資料の診断結果の説明)を経て、治療に移ります。

永久歯がすべて生え揃う前のお子様は予防矯正から始める場合があります。診断の結果を踏まえて、治療に移ります。費用は予防矯正が440,000円、本格矯正は唇側マルチブラケット矯正が770,000円~880,000円、マウスピース矯正が880,000円~1,100,000円(いずれも税込、患者によって金額は異なる)です。

治療後はメンテナンス・保定治療を行い、きれいに並んだ歯並びを維持します。再診料は予防矯正が3,300円/月、本格矯正が5,500円/月(税込)となっています。

矯正治療のリスクと副作用について

矯正治療には、一般的なリスクや副作用があることも理解しておく必要があります。

矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2週間で慣れてきます。歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。また、矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。

治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。

また、歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。

動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合せの「後戻り」が生じる可能性があります。あごの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。

まとめ〜舌機能を整えて美しい歯並びを〜

お子さんの歯並びは、遺伝的要因だけでなく、日常的な舌の位置や動き、口周りの筋肉の使い方に大きく影響されます。

口呼吸、舌癖、逆嚥下などの悪習慣を改善することで、歯並びを悪化させないようにすることができます。MFT(口腔筋機能療法)を通じて、正しい舌の位置や飲み込み方を習得することで、矯正治療の効果を高め、後戻りを防ぐことができるのです。

小児矯正は、Ⅰ期治療で悪習慣を改善し、必要に応じてⅡ期治療で永久歯の歯並びを整えるという2段階のアプローチが効果的です。舌小帯短縮症(ハート舌)など、舌の機能に問題がある場合は、早期の診察と適切な対応が重要となります。

むらせ歯科幕張院では、透明なマウスピース矯正(インビザライン)を中心に、虫歯・歯周病治療、顎関節症治療にも対応した総合的なアプローチで、お子さんの美しい歯並びと健康な口腔環境をサポートしています。お子さんの歯並びに不安を感じている方は、ぜひ一度専門家に相談してみてください。

美しい歯並びは、お子さんの一生の財産となります。早めの対応が、将来の笑顔を輝かせる第一歩となるはずです。

 

子どもの受け口対策|早期の生活改善でできる予防とケア

2025年12月9日

子どもの受け口対策|早期の生活改善でできる予防とケア

受け口とは何か~子どもの成長に影響する噛み合わせの問題

受け口は、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態を指します。

正式には「反対咬合」や「下顎前突」と呼ばれ、見た目の問題だけでなく、発音や咀嚼機能にも影響を及ぼす可能性があります。通常、正常な噛み合わせでは上の歯が下の歯を覆う形が保たれますが、受け口の場合はその逆となり、噛み合わせに異常が生じるのです。

子どもの受け口には主に3つのタイプがあります。歯の生える位置の異常が原因で生じる「歯槽性受け口」、骨格のバランスが原因で生じる「骨格性受け口」、そして噛み合わせを補正しようとする動作が原因で生じる「機能性受け口」です。

受け口は自然に治ることが少なく、乳歯から永久歯に生え変わる際に自然治癒する確率は6~10%未満というデータがあります。つまり、受け口が勝手に治るという確率は極めて少ないため、早期の対応が重要になるのです。

子どもが受け口になる主な原因

遺伝的要因による影響

受け口は遺伝的要因によって発生することが多いとされています。

親から受け継がれる骨格の特徴が影響を及ぼし、家族に下顎が発達しすぎている、または上顎の成長が不十分な特徴を持つ人がいる場合、子どもも受け口になる可能性が高まります。歯並び自体が遺伝することは基本的にありませんが、受け口になりやすい骨格などが遺伝する可能性はあるのです。両親のどちらか、または祖父母の中に受け口の人がいると、子どもにも同じような傾向が見られることがあります。

生活習慣や癖による後天的な要因

幼少期の生活習慣や癖も受け口の原因となることがあります。

指しゃぶりや長時間の哺乳瓶の使用、適切な舌の位置が保たれない状態、さらには頬杖をつく習慣などが、歯並びや顎の発育に影響を与える可能性があります。特に、舌の使い方が正しくないと、下顎を前に押し出すような動きが習慣化し受け口になりやすくなるのです。

口を閉じている間に舌先が歯の裏に当たってしまう「舌癖」、食事を飲み込む際に舌が前側に出て行ってしまう「逆嚥下」、日常的に口を開けたまま呼吸をしてしまう「口呼吸」などが代表的な悪習慣として挙げられます。

健康問題と口腔環境

慢性的な鼻づまりやアレルギー性鼻炎などの健康問題も、受け口の原因となることがあります。

これらの問題があると、口呼吸が習慣化し、顎や歯列の発育に影響を与えることがあるのです。口呼吸をすると、舌が下顎に沿ったまま格納される状態になり、上顎の成長を阻害してしまい、歯並びを悪くさせてしまいます。また、病原菌が粘膜に直接付着しやすくなるため、風邪を引きやすくなるというデメリットもあります。

さらに、乳歯が正しく生えそろわなかったり、虫歯や外傷で早期に失われたりすると、歯並びが乱れやすくなります。特に、前歯の位置に影響が出ると、下の歯が前に出やすくなり、受け口を誘発することがあるのです。

受け口を放置するリスクと子どもへの影響

咀嚼機能への悪影響

受け口は噛み合わせが不適切な状態であるため、食べ物を十分に噛み砕くことが難しくなることがあります。

これにより、消化器官に負担がかかり、消化不良や栄養吸収の低下を引き起こす恐れがあります。また、前歯や奥歯に過剰な負担がかかることで、歯の摩耗や歯周病のリスクが高まる可能性もあるのです。通常、上の前歯が前で、下の前歯がその後ろにあるため、下の顎の成長は前歯部分で規制され、上の顎の成長以上には成長できません。しかし、受け口の場合は、上の前歯のより前に下の前歯があるため、下の顎の成長が上の顎に妨げられることがなくなり、成長とともにどんどんと受け口になってきてしまいます。

発音や言語能力への影響

受け口の状態では、舌の動きが制限されるため、特にサ行やタ行の発音が難しくなることがあります。

これにより、言葉が不明瞭になり、コミュニケーションに支障をきたすことがあるのです。こもったような声になったり、空気の漏れたような話し方になったりすることもあります。特に、幼少期は言語能力が発達する重要な時期であるため、早期の対応が求められます。受け口が原因で発音障害になると、引っ込み思案になるなど、自身にコンプレックスを持つことも少なくありません。

見た目への影響と心理的負担

受け口を放置すると、成長に伴い下顎がさらに前方に突出し、顔全体のバランスが崩れることがあります。

この結果、顎がしゃくれて見えるなど、外見上のコンプレックスを抱える原因となる可能性があります。通常、上顎は10歳前後、下顎は15~18歳前後まで成長するといわれており、上顎の成長が止まった思春期以降に下顎がさらに成長し、受け口が悪化することがあるのです。思春期以降は外見を気にする年齢でもあるため、心理的な負担が大きくなることが考えられます。

早期の生活改善でできる受け口の予防方法

赤ちゃんの時期からできる予防~哺乳瓶とおしゃぶりの選び方

受け口の予防は、赤ちゃんの時期から始めることが可能です。

顎・口周りの筋肉を適切に発達させるため、一般的な哺乳瓶と比べて吸う力を要する母乳育児をおすすめします。粉ミルクを哺乳瓶で飲む場合にも、赤ちゃんがしっかり吸う力を使う哺乳瓶を選ぶとよいでしょう。哺乳瓶の先端を下にしてもミルクが垂れてこない哺乳瓶、つまり簡単にミルクが出るものではなく、しっかりと赤ちゃんが吸うことでミルクが出る哺乳瓶を選択することが大切です。また、赤ちゃんの吸う時の舌の位置が適切な場所にくる哺乳瓶が最適とされています。

おしゃぶりの使用も効果的です。赤ちゃんが寝ている時など、何もしていない時に口をポカンと開けていると、上の前歯よりも下の前歯が出てきてしまう原因となります。おしゃぶりを使用すれば、これを防ぐことができるのです。ただし、おしゃぶりについては様々な見解があり、2歳から3歳の間にやめていただき、効果的にお使いになることをおすすめします。

食生活の工夫~噛む力を育てる

お口周りの筋肉を鍛えることも重要な予防策です。

咀嚼回数が少ない食生活や、柔らかい食べ物中心の食事は、顎の正常な発育を妨げることがあります。しっかり噛む練習をすることで、口の周りの筋肉をきちんと使って噛み合わせが安定し、後戻りしにくくなるのです。栄養不足や口腔機能の発達が不十分な場合も、受け口の原因となり得るため、バランスの取れた食事と適切な咀嚼習慣を身につけることが大切です。

悪習慣の改善~舌癖や口呼吸への対処

指しゃぶりや頬杖の習慣を改善することも予防に効果的です。

口を閉じている間、舌先は上の前歯の付け根より少し手前に当たっていなければなりません。舌が常に歯に触れている状態の場合は要注意で、これを「舌癖」といい、歯に不自然な圧力をかけてしまうため、歯が前に出てしまうなどの弊害を生み出してしまう可能性があります。

鼻呼吸を促すことも重要です。口呼吸の習慣がある場合、舌の位置が下がるため、正常な顎の発育を妨げることにつながります。お母さんはお子さんの呼吸の仕方をよく観察し、口呼吸が習慣化している場合は早めに対処することが大切です。

定期的な歯科検診の重要性

子どもの歯並びがおかしいと感じた頃が治療開始のタイミングです。

4~5歳のタイミングで一度歯科医院を受診すると良いでしょう。早期に発見し、適切な対応をすることで、お子さんの負担も家庭の経済負担も軽く済みます。様子を見てその時放置しておくと、犬歯が生えるスペースが無くなってしまい、複雑な矯正治療になってしまう可能性があります。

子どもの受け口の治療方法と適切な開始時期

治療を始める最適な年齢

子どもの受け口を矯正する場合、永久歯が生える前の4~5歳ごろに矯正を始めるのがよいとされています。

骨格的な問題がある場合は3歳ごろから、歯並びに原因がある場合は6歳ごろから受け口になるといわれています。そのため、永久歯が生える前の4~5歳ごろから矯正を開始するとよいでしょう。子どもの顎の成長を利用することで、骨格から受け口を改善でき、悪習癖を解消でき、将来的に抜歯を回避できるというメリットがあります。

少なくとも6歳前後~12歳までの間に受け口を治されることをお勧めします。大人の歯が生え揃ってしまってから受け口を治そうとすると、顎を切って治すという手術になってしまうことがあるため、子どもの成長を利用できる時期に負担の少ない矯正治療を行っていくことが大切なのです。

Ⅰ期治療~歯列矯正用咬合誘導装置による改善

子どもの矯正治療は、大きく分けて「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階に分かれます。

Ⅰ期治療では、口呼吸、舌癖、逆嚥下などの習慣を改善するために「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」や「ムーシールド」を使用します。これらは、歯を直接動かすのではなく、習慣の改善から歯並びを悪化させないようにするトレーニングを通じて理想の歯並びに近づけていく方法です。

ムーシールドは、お子さんの口のまわりの筋肉や舌の動きを正しく導き、受け口を治す着脱式の装置で、主に夜寝ている時に装着します。反対咬合の原因の1つは舌が低い位置で機能していることであり、治療目標はまず舌を挙上することです。就寝中に使用し、取り外しできる装置ですから、お子さん自身で付け外しが出来るため、痛みがあったときには簡単に取り外せます。

Ⅱ期治療~本格的な矯正治療

歯並びの状態によってはⅠ期治療のみで完了する場合もありますが、状況次第ではⅡ期治療が必要となる場合があります。

「歯並びが悪い」「歯が回転してねじれた状態で生えてきた」「上下の歯がうまく噛み合わない」など、こうしたトラブルに見舞われた場合、Ⅱ期治療に移行していきます。Ⅱ期治療では、床矯正、インビザライン・ファースト、フェイスマスク、チンキャップなどの装置を用いた治療が行われます。

当院では、透明なマウスピースを用いた矯正治療も提供しており、特に世界的に高いシェアを誇るインビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正装置)を導入しています。透明で目立ちにくく、取り外し可能なため口内の違和感を最小限に抑えられるという特徴があり、食事を楽しみながら、マウスピースを外せば歯磨きや装置の洗浄も簡単に行うことができます。

矯正治療に伴うリスクと注意点

矯正治療には、いくつかのリスクや副作用があることも理解しておく必要があります。

矯正装置を付けた後しばらりは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2週間で慣れてきます。歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性もあります。治療中は矯正装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。

むらせ歯科幕張院の小児矯正へのアプローチ

包括的な口腔ケアと矯正治療の連携

当院では、矯正治療に留まらず、虫歯や歯周病などの治療にも対応しています。

矯正治療を始めるうえで、何よりも重要なのは口内環境維持ですから、まずは虫歯や歯周病がないかしっかりとチェックし、必要があれば病気の治療から始めるのです。矯正専門のクリニックでは虫歯や歯周病の治療まで対応してくれないケースも多々見られるため、当院のような対応は珍しいかもしれません。矯正器具も、歯に固定するタイプは特に汚れが付着しやすいことから、虫歯や歯周病を起こすリスクは高くなります。

顎関節トラブルへの配慮

歯並びが悪い、噛み合わせが悪い、という人は、顎の関節にトラブルが見られることがあります。

当院では矯正前の初期治療として、顎関節症などのトラブルを解決するスプリント療法を行い、矯正治療をより効果の高いものにしていくことができます。スプリント療法を実施することにより、顎関節症起因の頭痛、肩こり、顎の痛み、疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの改善を見込むことが可能です。

アプリを活用した患者さんとのコミュニケーション

矯正中は歯の移動具合がわかりにくいため、現在までにどの程度の変化があったか知ることができると励みになります。

当院では、患者さんとのコミュニケーションを円滑化するためのアプリを導入し、スライドショーを使って歯の移動軌跡をチェックできるようにしました。これにより、コミュニケーションだけではなくマウスピースの交換時期のお知らせにも役立っています。

まとめ~子どもの受け口は早期対応が鍵

子どもの受け口は、放置していて改善されることはほとんどありません。

遺伝的要因や生活習慣、健康問題など、さまざまな原因が複雑に絡み合って発生しますが、早期に発見し、適切な予防と治療を行うことで、大きな改善が期待できます。赤ちゃんの時期からの哺乳瓶やおしゃぶりの選び方、食生活の工夫、悪習慣の改善など、日常生活でできる予防策も多くあります。

4~5歳のタイミングで一度歯科医院を受診し、お子さんの状態を確認することをおすすめします。早期に矯正治療を開始することで、骨格から受け口を改善でき、お子さんの負担も家庭の経済負担も軽減できるのです。

むらせ歯科幕張院では、透明なマウスピースを用いた目立ちにくい矯正治療から、歯列矯正用咬合誘導装置を使った小児矯正まで、幅広い治療オプションを提供しています。虫歯や歯周病の治療にも対応し、顎関節トラブルへの配慮も行いながら、お子さんの健やかな成長をサポートいたします。お子さんの受け口が気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

子どもの口呼吸は歯並び悪化のサイン?家庭でできる改善アプローチ

2025年12月9日

子どもの口呼吸は歯並び悪化のサイン?家庭でできる改善アプローチ

お子さまがテレビを見ているとき、ぽかんと口を開けたままになっていることはありませんか?

実はその何気ない様子が、将来の歯並びや健康に大きく影響を与えるサインかもしれません。

近年、子どもの「口呼吸」が増えており、それに伴って歯並びの悪化や顎の発育不全といった問題が指摘されています。口呼吸は単なる癖ではなく、歯並びや噛み合わせ、さらには全身の健康にまで影響を及ぼす可能性があるのです。

この記事では、子どもの口呼吸がなぜ歯並びに悪影響を与えるのか、その原因と家庭でできる改善方法について、歯科医療の視点から詳しく解説します。お子さまの健やかな成長を支えるために、今日から実践できる具体的なアプローチをご紹介していきます。

口呼吸が子どもの歯並びに与える影響とは

口呼吸は、鼻ではなく口で呼吸をする状態を指します。

本来、人間は鼻呼吸をするように身体が設計されていますが、何らかの理由で口呼吸が習慣化すると、口周りの筋肉や舌の位置に変化が生じ、歯並びや顎の発育に深刻な影響を及ぼすことがあります。

舌の位置が下がることで起こる問題

口呼吸をしている子どもは、舌の位置が本来あるべき上顎から下がってしまいます。

通常、舌は口を閉じているときに上顎に軽く触れている状態が正常です。しかし、口呼吸では舌が下顎に沿って格納されるため、上顎の成長を促す自然な刺激が失われてしまいます。この結果、上顎の幅が十分に広がらず、歯が並ぶスペースが不足し、歯並びの乱れや叢生(歯が重なり合った状態)を引き起こすのです。

口周りの筋肉バランスの崩れ

口を開けたままの状態が続くと、唇を閉じる筋肉や頬の筋肉が十分に発達しません。

これらの筋肉は、歯列を内側から適度に抑える役割を担っています。筋力が低下すると、歯が前方に押し出されやすくなり、出っ歯(上顎前突)や開咬(前歯が噛み合わない状態)といった不正咬合が生じる可能性が高まります。

顎の発育への影響

子どもの顎の骨の成長は、8歳頃までにほぼ完成すると言われています。

この重要な成長期に口呼吸が続くと、顎の骨が適切に発達せず、将来的に矯正治療が必要になるケースが増えてしまいます。特に上顎の成長は脳の成長とも密接に関わっており、早期の対応が非常に重要です。

口呼吸が引き起こすその他の健康リスク

口呼吸の影響は、歯並びだけにとどまりません。

全身の健康にも様々な悪影響を及ぼす可能性があります。

虫歯や歯周病のリスク増加

口呼吸をしていると、口の中が常に乾燥した状態になります。

唾液には自浄作用があり、口の中を清潔に保ち、中性に保つ重要な役割を果たしています。しかし、口内が乾燥すると唾液の働きが弱まり、細菌が繁殖しやすい環境となり、虫歯や歯周病(歯肉炎)のリスクが高まります。また、歯並びが乱れると汚れが溜まりやすく磨きにくくなるため、さらにリスクが増大するのです。

風邪や感染症にかかりやすくなる

鼻呼吸の場合、鼻毛や鼻水がフィルターとなり、ウイルスや細菌の侵入を一定程度防いでくれます。

一方、口呼吸ではこのフィルター機能が働かないため、病原菌が直接体内に入りやすくなり、風邪やウイルス性の感染症にかかりやすくなります。アレルギー性鼻炎などで鼻が詰まっている場合も、同様のリスクが高まります。

睡眠の質の低下と集中力への影響

口呼吸は、睡眠時無呼吸症候群やいびきの原因にもなります。

舌が正しい位置に収まらず、下顎が後方へ下がることで気道が狭くなり、呼吸が浅くなったり一時的に止まったりすることがあります。睡眠の質が低下すると、成長ホルモンの分泌が妨げられ、身体の成長に悪影響を及ぼすだけでなく、日中の集中力低下やイライラといった問題も引き起こします。

姿勢や顔貌への影響

口呼吸が習慣化すると、頬や口周りの筋肉が弛緩した状態が続き、顔つきがぼんやりとした印象になることがあります。

また、口呼吸をしやすくするために無意識に顎を前に突き出す姿勢をとることが多く、猫背や姿勢の悪化にもつながります。姿勢の悪さは、さらに呼吸機能や筋力の低下を招く悪循環を生み出します。

子どもが口呼吸をする主な原因

口呼吸には、様々な原因が考えられます。

原因を正しく理解することで、適切な対策を講じることができます。

鼻づまりやアレルギー性鼻炎

最も多い原因の一つが、鼻づまりです。

風邪やアレルギー性鼻炎、蓄膿症などで鼻が慢性的に詰まっていると、鼻呼吸がしづらくなり、自然と口呼吸になってしまいます。特にアレルギー性鼻炎が慢性化すると、それが癖になり、鼻が通っていても口呼吸を続けてしまうことがあります。

扁桃腺やアデノイドの肥大

扁桃腺やアデノイド(のどにあるリンパ組織)が大きくなっていると、鼻から空気が流れ込みにくくなり、口呼吸になりやすくなります。

扁桃肥大は10歳から12歳頃がピークで、それ以降は徐々に小さくなることが多いですが、呼吸や舌の位置に影響がある場合は、耳鼻咽喉科での相談が必要です。

歯並びや口周りの形態的な問題

出っ歯(上顎前突)や開咬などの不正咬合がある場合、唇が閉まりにくく、口呼吸になりやすい傾向があります。

また、上顎の幅が狭く舌を上げるスペースがない場合も、口が自然に開いてしまうことがあります。このような場合は、小児歯科での診断と矯正治療の検討が必要になります。

口周りの筋力不足

柔らかい食べ物ばかりを食べる食生活では、噛む動きが少なくなり、口周りの筋肉が十分に発達しません。

唇を閉じる力が弱ければ、口が開きやすくなります。また、哺乳瓶の使用方法や発声・会話の少なさ、口遊び(口笛など)の減少なども、口周りの機能発達に影響を与えることがあります。

家庭でできる口呼吸の改善アプローチ

口呼吸の改善には、家庭での日常的な取り組みが非常に重要です。

ここでは、今日から実践できる具体的な方法をご紹介します。

意識的に鼻呼吸を促す声かけ

まずは、お子さまに鼻呼吸を意識させることから始めましょう。

単に習慣として口呼吸になっており、歯並びや鼻の機能に問題がない場合には、「口を閉じて鼻で息をしようね」とときどき優しく指摘してあげるだけで改善することがあります。テレビを見ているときや集中しているときなど、口が開きやすい場面で声をかけてあげると効果的です。

「あいうべ体操」で口周りの筋肉を鍛える

「あいうべ体操」は、口周りの筋肉を鍛える簡単な体操です。

以下の動きを10回1セットとし、1日3セットを目標に継続してください。声は出さなくても構いません。

  • 「あー」と口を大きく開きます
  • 「いー」と口を横に大きく開きます
  • 「うー」と口をすぼめてできるだけ前に突き出します
  • 「べー」と舌をできるだけ下へ伸ばします

この体操を続けることで、口周りの筋力が向上し、自然と口を閉じやすくなります。

硬い食べ物をよく噛んで食べる習慣

柔らかい食生活は、顎の発達に悪影響を及ぼします。

ナッツや玄米、野菜スティックなど、よく噛む必要がある食べ物を意識的に取り入れましょう。しっかり噛むことで、口周りの筋肉が鍛えられ、顎の成長も促されます。また、食事中は口を閉じて噛むことを習慣づけることも大切です。

寝るときの口閉じテープの活用

就寝時に市販の「鼻呼吸テープ」や「口閉じテープ」を使用することで、鼻呼吸への移行を促すことができます。

また、「鼻腔拡張テープ」を使用すると、鼻の通りが良くなり、鼻呼吸がしやすくなります。ただし、お子さまの場合は安全面に十分注意し、医師の指導のもとで使用することをおすすめします。

正しい姿勢を意識する

姿勢と呼吸は密接に関係しています。

スマホやタブレットを見るときは目線の高さで使用し、猫背にならないよう意識しましょう。座り方や抱っこの仕方も、口呼吸の原因になることがあるため、正しい姿勢を訓練することが重要です。

専門的な治療が必要なケースとは

家庭での取り組みだけでは改善が難しい場合もあります。

以下のような症状がある場合は、専門医への相談が必要です。

鼻づまりや扁桃腺の問題は耳鼻咽喉科へ

慢性的な鼻づまりやアレルギー性鼻炎、扁桃腺肥大が原因の場合は、耳鼻咽喉科での治療が必要です。

一時的な鼻炎であれば内服薬や点鼻薬で改善できますが、扁桃腺肥大の場合は、薬物療法か手術による扁桃腺除去の選択肢があります。耳鼻科の医師に相談し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

歯並びや顎の問題は小児歯科・矯正歯科へ

歯並びや噛み合わせに問題がある場合は、小児歯科や矯正歯科での診断が必要です。

出っ歯、受け口、開咬、叢生などの不正咬合は、矯正治療によって改善できます。ただし、矯正治療だけでなく、口呼吸の習慣も同時に改善しなければ、舌の位置が正しくならず、歯並びが後戻りを起こす可能性があります。

口腔機能療法(MFT)との組み合わせ

矯正治療と並行して、MFT(口腔筋機能療法)という舌や唇を鍛えるトレーニングを行うことで、より高い効果が期待できます。

MFTは、舌癖や逆嚥下(飲み込む際に舌が前に出る癖)などの悪習慣を改善し、正しい口腔機能を獲得するためのトレーニングです。歯科医院で指導を受け、自宅でも継続的に取り組むことが重要です。

小児矯正のⅠ期治療とⅡ期治療

子どもの矯正治療は、「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階に分かれます。

Ⅰ期治療では、口呼吸、舌癖、逆嚥下などの習慣を改善するために「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」などを使用します。これは歯を直接動かすのではなく、習慣の改善から歯並びを悪化させないようにするトレーニングです。Ⅱ期治療は、歯並びが悪い、歯が回転してねじれた状態で生えてきた、上下の歯がうまく噛み合わないなどの問題がある場合に必要となります。

当院では、透明なマウスピース型矯正装置(インビザライン)を導入しており、目立ちにくく、取り外し可能なため、お子さまの負担を最小限に抑えながら治療を進めることができます。また、矯正治療だけでなく、虫歯や歯周病の治療にも対応しているため、口内環境を整えながら矯正治療を行うことが可能です。

口呼吸改善のための生活習慣チェックリスト

日常生活の中で、以下のポイントを意識することで、口呼吸の改善をサポートできます。

  • テレビやゲームをしているとき、口が開いていないか定期的にチェックする
  • 食事中は口を閉じて噛むよう声をかける
  • 硬い食べ物や噛み応えのある食材を積極的に取り入れる
  • 「あいうべ体操」を毎日の習慣にする
  • 寝る前に鼻呼吸テープを使用する(医師の指導のもと)
  • スマホやタブレットは目線の高さで使用し、姿勢を正す
  • 定期的に歯科検診を受け、歯並びや口腔機能をチェックする
  • 鼻づまりが続く場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診する

これらの習慣を継続することで、お子さまの口呼吸改善と健やかな成長をサポートできます。

まとめ:早期発見・早期対応が鍵

子どもの口呼吸は、単なる癖ではなく、歯並びや全身の健康に深刻な影響を与える可能性があります。

舌の位置の変化、口周りの筋力不足、顎の発育不全などが重なることで、将来的に矯正治療が必要になるケースも少なくありません。しかし、早期に発見し、適切な対応を行うことで、多くの問題を予防・改善することができます。

家庭でできる取り組みとしては、鼻呼吸の意識づけ、あいうべ体操、硬い食べ物を噛む習慣、正しい姿勢の維持などがあります。これらを日常生活に取り入れることで、お子さまの口腔機能の発達を促すことができます。

一方で、鼻づまりや扁桃腺肥大、歯並びの問題など、専門的な治療が必要なケースもあります。その場合は、耳鼻咽喉科や小児歯科・矯正歯科での診断と治療が重要です。特に、顎の成長は8歳頃までにほぼ完成するため、早めの相談と対応が望ましいと言えます。

むらせ歯科幕張院では、透明なマウスピース型矯正装置(インビザライン)を用いた小児矯正治療を提供しており、口呼吸や舌癖などの悪習慣の改善にも力を入れています。矯正治療だけでなく、虫歯や歯周病の治療にも対応しているため、お子さまの口内環境を総合的にサポートすることが可能です。

お子さまの口がぽかんと開いている様子が気になる方、歯並びの変化が心配な方は、ぜひ一度ご相談ください。早期の対応が、お子さまの健やかな成長と美しい笑顔を守る第一歩となります。

 

インプラント周囲炎の予防対策〜歯科医が教える5つの方法

2025年11月30日

インプラント周囲炎とは何か

インプラント治療を受けた方にとって、最も注意すべき合併症が「インプラント周囲炎」です。

この病気は、インプラントの周りに細菌が蓄積することで発生する炎症性疾患であり、放置すると歯茎の腫れや出血だけでなく、インプラントを支える骨が溶けてしまう深刻な状態に進行します。天然歯における歯周病と似た症状を示しますが、インプラントには歯根膜というバリア機能がないため、細菌が骨に到達しやすく、進行速度が非常に速いという特徴があります。

インプラント周囲炎の発生率は、研究によって異なりますが、インプラント治療を受けた方の約10%から20%の間で発生するとされています。長期間にわたる追跡調査では、治療後5年から10年で約22%から43%の患者さんに何らかの形でインプラント周囲炎が発生することが報告されており、決して珍しい病気ではありません。

初期段階では「インプラント周囲粘膜炎」と呼ばれ、インプラント周辺の歯肉が赤く腫れたり、歯磨きの際に出血したりする程度の症状です。しかし、この段階で適切な処置を行わないと、炎症は骨にまで及び、インプラントがグラグラと揺れ始め、最終的には抜け落ちてしまう可能性があります。

インプラント周囲炎を引き起こす主な原因

インプラント周囲炎の発症には、複数の要因が複雑に絡み合っています。

セルフケア不足による細菌の蓄積

最も大きな原因は、日々の歯磨きが不十分で、インプラント周辺に汚れや細菌が残ってしまうことです。正しいブラッシングができていない場合、プラーク(歯垢)が蓄積し、細菌感染を引き起こします。インプラントは天然歯と異なり、歯根膜という細菌の侵入を防ぐバリアがないため、細菌が骨に到達しやすく、炎症が急速に進行する傾向があります。

喫煙習慣がもたらすリスク

喫煙は口腔内の血流を減少させ、組織の修復能力を低下させます。これにより、インプラント周囲の組織が細菌感染に対して脆弱になり、インプラント周囲炎のリスクが高まります。また、喫煙は歯肉の炎症を悪化させるため、インプラント周囲炎になりやすい方の代表的な特徴として挙げられます。

歯ぎしりや食いしばりによる過度な負担

歯ぎしりや食いしばりなど、インプラント治療を行った部分に過度な負荷をかける癖がある方も、インプラント周囲炎のリスクが高まります。過度な咬合力は、インプラントと骨の結合部分にストレスを与え、炎症を誘発する可能性があります。

基礎疾患の影響

糖尿病や心臓病などの基礎疾患を抱えている方は、免疫力が低下しやすく、細菌感染に対する抵抗力が弱まります。そのため、インプラント周囲炎を発症しやすい傾向があります。ただし、適切な体調管理と生体モニタリングを行うことで、インプラント治療が可能になることもあります。

インプラント周囲炎の進行段階と症状

インプラント周囲炎は、段階的に進行していきます。

初期段階:インプラント周囲粘膜炎

初期の段階では、インプラント周辺の歯肉が赤く腫れ、柔らかく感じられるようになります。歯ブラシや歯間ブラシを使用した際に出血が見られることもあります。この段階では、痛みはほとんどなく、自分で気づくことは難しいものの、定期検診をきちんと受けていれば、歯科医が早期に発見し、患部の洗浄やプラーク・歯石の除去といった処置を行うことができます。

中期段階:骨吸収の開始

中期では、歯磨きの際に歯肉から出血したり、食事や会話の際にインプラントが不安定になっている感覚を感じるようになります。歯周ポケット(歯やインプラントの周りにある薄い溝の部分)がかなり深くなっており、歯科医の診察時に確認できます。痛みはほとんどありませんが、この段階になると、インプラントの周りの歯茎を切開し、侵入している細菌を殺菌する必要があります。歯茎の切開から手術時の傷が治るまでに3カ月ほどかかります。

末期段階:インプラントの脱落リスク

末期では、顎の骨(歯槽骨)と結合していたインプラントが脱落した状態になっており、食事の際に物を噛むと痛みを感じたりします。また、歯肉が膿んで口臭がすることもあります。この段階になると、一度インプラントを抜き、患部の治療を行う必要があります。治療後にインプラントを埋め込むことも可能ですが、その場合は改めてインプラント治療を最初から行うことになります。

インプラント周囲炎を予防する5つの方法

インプラント周囲炎を予防するためには、日々の適切なケアと定期的な専門的管理が不可欠です。

方法1:正しいブラッシング技術の習得

インプラント周囲炎を予防する最も基本的な方法は、正しいブラッシング技術を身につけることです。丁寧にブラッシングし、汚れやプラークを着実に落としていくことが重要です。インプラント周辺は特に注意深く磨く必要があり、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、小刻みに動かすことで、効果的にプラークを除去できます。

方法2:デンタルフロスと歯間ブラシの活用

歯ブラシだけでは、歯と歯の間やインプラントの隙間に溜まった汚れを完全に除去することはできません。デンタルフロスや歯間ブラシを使って、細かい部分まで丁寧に清掃することが大切です。特にインプラント周辺は、天然歯よりも細菌が蓄積しやすいため、毎日のケアに取り入れることをお勧めします。

方法3:定期的な歯科検診とメンテナンス

インプラント周囲炎は、初期段階では自覚症状がほとんどないため、定期的に歯科医を受診してインプラントと口内の状況をチェックしてもらうことが非常に重要です。専門的なクリーニングにより、セルフケアでは落としきれないプラークや歯石を除去し、インプラント周囲の健康状態を維持することができます。むらせ歯科幕張院では、科学的根拠に基づいた患者さん個別に合わせたメンテナンスプログラムを提供しています。

方法4:禁煙と生活習慣の改善

喫煙は、インプラント周囲炎の大きなリスク要因です。血行を悪くする生活習慣をなるべく辞めることで、インプラント周囲の組織の健康を保つことができます。また、バランスの取れた食事や十分な睡眠を心がけることで、免疫力を高め、細菌感染に対する抵抗力を強化することができます。

方法5:歯ぎしり・食いしばり対策

歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、就寝時にマウスピースを装着することで、インプラントへの過度な負担を軽減できます。また、日中も意識的に歯を食いしばらないように注意することが大切です。ストレス管理やリラクゼーション法を取り入れることで、無意識の食いしばりを減らすことができます。

むらせ歯科幕張院のインプラント周囲炎予防への取り組み

むらせ歯科幕張院では、「かけがえのない歯を残すためにベストを尽くす」という理念のもと、インプラント治療とその後のメンテナンスに力を入れています。

同院では、安易に抜歯やインプラントを勧めるのではなく、まず天然歯を残す治療の可能性を追求し、どうしても抜歯が必要な場合に限りインプラントを提案するという方針を掲げています。インプラント治療における「安心・安全」を最優先するため、東京歯科大学出身の根本悠平医師が担当し、CT装置、シミュレーションソフト、ガイデッドサージェリーを用いたコンピュータインプラント技術を活用しています。

この技術により、人為的ミスを最小限に抑え、治療の正確性と成功率を高めています。また、世界シェア1位のストローマンや世界4大インプラントメーカーの1つであるノーベルバイオケアの製品を使用し、「ガイドデント」による5年保証システムを導入しています。この保証は、偶発的な破損や脱落も保証対象となり、全国の認定医院で保証を受けられる安心のシステムです。

インプラント治療後のメンテナンスも重視しており、患者さん個別に合わせたメンテナンスプログラムを提供しています。定期的な口腔内の状態管理により、インプラント周囲炎の早期発見と予防を実現しています。基礎疾患(糖尿病や心臓病など)がある方でも、内科医による所見も参考にしながらインプラント治療の可能性を検討しており、他院で断られた方も諦めずに相談できる体制を整えています。

まとめ:インプラントを長く使い続けるために

インプラント周囲炎は、適切な予防対策を行うことで、そのリスクを大幅に減らすことができます。

正しいブラッシング技術の習得、デンタルフロスと歯間ブラシの活用、定期的な歯科検診とメンテナンス、禁煙と生活習慣の改善、歯ぎしり・食いしばり対策という5つの方法を日常生活に取り入れることで、インプラントを長期間にわたって健康な状態で維持することができます。

インプラントは、他の健康な歯を守り、しっかり噛め、見た目が自然で話しやすいという多くのメリットがあります。さらに、「噛む」という行為が脳に新鮮な血液を送り込む作用があり、認知症予防にも効果的であるという研究結果も報告されています。せっかく受けたインプラント治療の効果を最大限に活かすためにも、日々のケアと定期的なメンテナンスを怠らないことが大切です。

むらせ歯科幕張院では、科学的根拠に基づいた個別のメンテナンスプログラムを提供し、患者さん一人ひとりに合わせたインプラント周囲炎予防をサポートしています。インプラント治療をご検討中の方、すでにインプラント治療を受けられた方も、ぜひ一度ご相談ください。あなたのかけがえのない歯を守るために、私たちが全力でサポートいたします。

 

矯正治療後の保定期間とは?後戻りを防ぐリテーナー管理の完全ガイド

2025年11月28日

矯正治療後の保定期間が重要な理由

矯正治療が終わり、装置を外した瞬間は大きな達成感に包まれます。

しかし、ここからが実は「本当の勝負」なのです。

矯正治療によって動かした歯は、周囲の骨や歯周組織がまだ完全に安定していません。歯と歯茎の間には「歯周靭帯」と呼ばれる繊維があり、この繊維がゴムのように元の位置に歯を戻そうとする力を発揮します。何も対策をしなければ、せっかく時間とコストをかけて整えた歯並びが崩れてしまう「後戻り」が起こる可能性が高いのです。

後戻りを防ぐために必要なのが「保定期間」です。保定期間とは、矯正装置を外した後に「リテーナー」と呼ばれる保定装置を使用して、歯並びを安定させる期間を指します。この期間をしっかり守ることで、美しい歯並びを長期間維持することができます。

保定期間は一般的に矯正治療期間と同じくらい、つまり2〜3年程度が目安とされています。ただし、元の歯並びの状態や治療内容によって個人差があります。特に矯正装置を外してから半年程度は、歯が最も後戻りしやすい時期です。この時期は特に注意が必要で、リテーナーの装着時間をしっかり守ることが重要になります。

リテーナー(保定装置)の種類と特徴

リテーナーには大きく分けて「取り外し式」と「固定式」の2種類があります。

取り外し式リテーナーの種類

取り外し式のリテーナーは、自分で着脱できるタイプです。主に以下の3種類があります。

マウスピースタイプ(クリアリテーナー)は、透明なプラスチック素材で作られたマウスピース型のリテーナーです。目立ちにくく審美性に優れているため、特に大人の患者さんに人気があります。歯全体にフィットするデザインで、均等に力をかけることで歯並びの安定を図ります。取り外しができるため、食事や歯磨きの際に外して使うことができ、口腔ケアがしやすい点も魅力です。

プレートタイプ(ホーレータイプ・ベッグタイプ)は、歯の表側にワイヤーを、裏側にプラスチックのプレートを取り付けたタイプのリテーナーです。耐久性に優れ、長期間使用できるのが特徴です。ワイヤーでしっかり固定ができるため、全体的な歯並びの固定をすることが可能です。大きく歯を動かす必要がある、抜歯を伴う矯正に使用されることが多いリテーナーです。

スプリングリテーナーは、プレートタイプの一種で、必要に応じて歯を少し動かす機能を持たせたリテーナーです。軽度の後戻りが生じた場合に、再矯正することなく歯を元の位置に戻すことができます。

固定式リテーナーの特徴

固定式リテーナーは、歯の裏側にワイヤーを接着して固定するタイプです。フィックスタイプリテーナーやリンガルリテーナーとも呼ばれます。自分で取り外すことができないため、装着忘れの心配がなく、24時間体制で歯の位置を保持できます。特に前歯の後戻りが起こりやすい方に適しています。

装置自体が小さく目立たないため、審美的にも優れていますが、ワイヤーが接着された部分は歯磨きがしづらいため、清掃に工夫が必要です。定期的な歯科医院での管理が可能であれば、フィックスリテーナーは矯正治療後の後戻り防止に有効な方法です。

リテーナーの正しい装着方法と期間

リテーナーの効果を最大限に発揮するためには、正しい使い方と適切な装着期間を守ることが重要です。

装着期間の目安

矯正装置を外してから約1年間は、歯を磨く時以外はリテーナーを装着していただきます。

1日の装着時間は20時間以上が目安となります。

食事中や歯みがきの際は取り外すことが基本ですが、それ以外の時間、睡眠中を含めてほぼ1日中装着することになります。可能であれば21時間、22時間と装着時間を長くするほど、後戻りを防ぐ効果は高くなります。特に矯正装置を外してから半年程度は、最も後戻りしやすい状態であるため、リテーナーは必ず20時間以上使い続けることをおすすめします。

歯の位置が徐々に馴染んできたら、担当の歯科医師と相談しながら夜間装着メインに移行します。一般的には約6か月から1年後に夜間装着(12時間前後)に切り替え、1年以降は就寝時数日に1回程度と、徐々に使用時間を減少させていきます。ただし、違和感が出たら使用時間を戻す必要があります。

装着時間を守らないとどうなるか

リテーナーをサボってしまうと、さまざまな問題が発生します。

まず、再装着時に痛みを感じるようになります。リテーナーを外しているあいだに歯が動いてしまい、再装着をしたときに痛みを強く感じることがあります。長く時間をあけてしまった場合には、リテーナーが合わなくなることもあります。無理に取り付けると痛みが出たり、装置が壊れてしまったりすることもあります。

あまりにも長く時間をあけてしまった場合には、後戻りが進み、矯正治療そのものが再び必要になることもあります。1回目の矯正治療ほどではありませんが、歯の負担に加え、時間やお金がかかってしまいます。装着期間を守らないと保定期間が延びるため、必ず歯科医師の指示に従いましょう。

リテーナーのお手入れと管理方法

リテーナーは常に口のなかに装着するものなので、定期的なメンテナンスが必要です。

洗浄方法

取り外し式のリテーナーは、歯みがきの際の洗浄をおすすめします。柔らかい歯ブラシを使い、ぬるま湯で水洗いしましょう。歯みがき粉には研磨剤が含まれており、リテーナーに細かい傷がつく可能性があります。細かい傷になると、その部分に汚れが着きやすくなってしまうため、歯磨き粉で磨かないようにしましょう。

外したら軽く水洗いし、やわらかいブラシで清掃します。専用洗浄剤を使用すると衛生的です。週1回から数回、専用洗浄タブレットや超音波洗浄器を使用すると、より清潔に保つことができます。ぬるま湯(約40℃以下)を使用し、熱湯では変形の恐れがあるため注意が必要です。

保管方法

リテーナーを外した時は、必ずリテーナーケースに入れて保管しましょう。

ティッシュにくるんで置いておくと、誤って捨ててしまう可能性があります。特にワイヤー矯正をしていた方は取り外し式の装置に慣れていないため、紛失防止のためにリテーナーケースに入れる習慣をつけることが大切です。マウスピース矯正をしていた方なら、マウスピースの取り扱いに慣れていると思いますが、同様の注意が必要です。

固定式リテーナーのケア

固定式リテーナーは取り外しができないため、汚れが残りやすく、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。ワイヤーが接着された部分は特に注意が必要で、フロスを使ってワイヤー下に通して前後に動かし、丁寧に清掃する必要があります。定期的な歯科医院でのチェックと清掃が欠かせません。

リテーナーに関するよくあるトラブルと対処法

リテーナーを入れ忘れて数日たっている

装着して少しきつく感じたり、浮きが認められたなら後戻りの兆候です。

痛みが強くなければまず数日フルタイム装着に戻して様子をみてください。それでも適合が改善しない場合は受診が必要です。無理なくリテーナーが入り、前回より少し締め付けが強いというくらいであれば、そのまま装着しても構いません。ただし、決して無理はしないでください。

リテーナーが壊れた・合わなくなった

リテーナーが壊れたときはもちろんですが、装着してひどく痛むとき、装着に強い力が必要なとき、なんとか装着はできたけれど浮いてしまうといったときには、作り直しが必要です。できるだけ早く歯科医院を受診してください。あまりに長く放置していると、2回目の矯正治療が必要になるほど、後戻りが進行することがあります。

リテーナーのにおいや着色が気になる

清掃不足または高温変形が原因です。毎日の水洗い+専用洗浄剤の併用を心がけましょう。透明タイプは熱湯厳禁です。状態が悪い場合は再製作も検討します。むらせ歯科幕張院では、リテーナー紛失・破損時の作り替えに対応しており、費用は6,600円(税込)となります。

固定式リテーナーのワイヤーが外れた

そのまま放置すると前歯が動いてしまう可能性があります。できるだけ早く連絡・来院を。ワイヤーが舌に当たって痛い場合は該当部分にワックスで保護を。フィックスリテーナーは1度接着すると絶対外れない訳ではなく、部分的に外れてしまう事があります。基本的には故障するものだと思っていただく必要があります。

むらせ歯科幕張院の保定治療とメンテナンス

むらせ歯科幕張院では、矯正治療後のメンテナンス・保定治療を重視しています。

きれいに並んだ歯並びを維持するための治療です。歯並びというのは、永久的なものではありません。歯は、加齢変化で徐々にでこぼこがでてくるものなのです。アンチエイジングの意味でも、きれいに並んだ歯をずっときれいに維持するためには保定装置を用いたメインテナンスが必要になります。

当院では、矯正治療に留まらず、虫歯や歯周病などの治療にも対応しています。矯正治療を始めるうえで、何よりも重要なのは口内環境維持ですから、まずは虫歯や歯周病がないかしっかりとチェックし、必要があれば病気の治療から始めるのです。矯正専門のクリニックでは虫歯や歯周病の治療まで対応してくれないケースも多々見られるため、当院のような対応は珍しいかもしれません。

保定治療の再診料は3,300円/月となります。リテーナー紛失・破損時の作り替えは6,600円(税込)で対応しています。定期的な通院により、歯並びの状態がきちんと保てているか確認し、必要に応じて調整を行います。

当院ではマウスピース型(インビザライン)の矯正治療を提供しており、治療後もマウスピース型のリテーナーを使用する患者さんが多くいらっしゃいます。透明なマウスピースを用いた矯正治療に慣れている方は、保定期間もスムーズに移行できる傾向があります。

矯正治療後の保定期間は、美しい歯並びを長期間維持するために欠かせない重要な期間です。リテーナーの正しい使用と適切なメンテナンスを続けることで、せっかく手に入れた理想的な歯並びを守ることができます。むらせ歯科幕張院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた保定治療とメンテナンスを提供し、長期的な口腔の健康をサポートしています。矯正治療後の歯並び維持にお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。

 

ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違い|目的別おすすめ治療法を徹底解説

2025年11月26日

歯列矯正を検討する際の最初の選択

歯並びを整えたいと考えたとき、多くの方が最初に直面するのが「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」のどちらを選ぶべきか、という問題です。

近年、透明なマウスピースを使った矯正治療が注目を集めています。目立たず、取り外しができるという利便性から、特に成人の方々に人気が高まっているのです。一方で、従来のワイヤー矯正は長い歴史と確かな実績があり、幅広い症例に対応できるという強みがあります。

どちらの治療法にも、それぞれ異なる特徴やメリット・デメリットがあります。ご自身のライフスタイルや歯並びの状態、治療に対する希望によって、最適な選択肢は変わってくるのです。

この記事では、東京歯科大学で学んだ専門知識と臨床経験をもとに、両者の違いを詳しく解説していきます。治療期間、費用、見た目、痛みなど、気になるポイントを網羅的にお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

ワイヤー矯正の特徴とメリット・デメリット

ワイヤー矯正は、歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる小さな装置を取り付け、そこにワイヤーを通して歯を動かしていく治療法です。

長い歴史と豊富な実績

ワイヤー矯正は、矯正治療の中でも最も歴史が長い方法です。そのため、過去の膨大な症例データが蓄積されており、治療の予測精度が高いという特徴があります。

複雑な歯並びや噛み合わせの問題にも対応できる適応範囲の広さが、大きな強みと言えるでしょう。歯を大きく動かす必要がある場合や、細かい調整が必要な症例でも、確実に治療を進めることができます。

治療期間の短縮が期待できる

ワイヤー矯正は、マウスピース矯正と比較して強い力で歯を動かすことができます。そのため、症例によっては治療期間を短縮できる可能性があるのです。

装置は固定式のため、24時間常に矯正力が働き続けます。この継続的な力の作用が、効率的な歯の移動を実現しているのです。

自己管理の負担が少ない

ワイヤー矯正の装置は歯科医師が取り付け、治療が終わるまで外すことはありません。

患者さん自身で装置を管理する必要がないため、「装着時間を守る」といった自己管理の負担が少ないという利点があります。装着を忘れて治療効果が得られないという心配がないのです。

ワイヤー矯正のデメリット

一方で、ワイヤー矯正にはいくつかのデメリットも存在します。最も大きいのは、装置が目立ってしまうという点でしょう。金属製のブラケットとワイヤーは、笑ったときや話すときに見えてしまいます。

また、食事の際に食べ物が装置に詰まりやすく、歯磨きにも工夫が必要です。タフトブラシや歯間ブラシなどの補助器具を使って、丁寧にケアする必要があります。粘着性の高いガムやキャラメル、硬いスルメなどは、装置が外れる原因となるため避けなければなりません。

さらに、金属製の装置が舌や粘膜を傷つけてしまうことがあります。調整によって改善できますが、慣れるまでは違和感や痛みを感じる方もいらっしゃいます。

マウスピース矯正の特徴とメリット・デメリット

マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピースを定期的に交換しながら、少しずつ歯を動かしていく治療法です。

目立ちにくい審美性

マウスピース矯正の最大の特徴は、装置が透明で目立ちにくいという点です。薄く透明なマウスピースを装着するため、近くで見てもほとんど気づかれません。

接客業や営業職など、人と接する機会が多い方でも、安心して治療を受けることができます。矯正治療中であることを周囲に知られたくないという方にとって、大きなメリットと言えるでしょう。

取り外しができる利便性

マウスピース矯正は、食事や歯磨きの際に装置を取り外すことができます。そのため、これまでと変わらず食事を楽しむことができ、口腔内の衛生管理もしやすいのです。

装置を外せば、歯磨きや装置の洗浄も簡単に行えます。虫歯や歯周病のリスクを抑えながら、矯正治療を進めることができるのです。

痛みや違和感が少ない傾向

マウスピース矯正は、弱い力で少しずつ歯を動かしていきます。そのため、ワイヤー矯正と比べて痛みを感じにくいと言われています。

装置が薄く歯列にぴったりとはまっているため、舌や粘膜を傷つける心配もほとんどありません。治療開始直後に締め付け感はありますが、強い痛みを伴うことは少ないのです。

金属アレルギーの心配がない

マウスピース矯正の装置は、金属を一切含まないプラスチック素材で作られています。そのため、金属アレルギーをお持ちの方でも安心して治療を受けることができます。

マウスピース矯正のデメリット

マウスピース矯正にもデメリットがあります。最も重要なのは、1日20時間以上の装着が必要という点です。

装着時間を守れないと、計画通りに歯が動かず、治療効果が十分に得られません。自己管理が苦手な方には、やや負担が大きいかもしれません。食事のたびに取り外し、食後は速やかに装着するという習慣が求められます。

また、適応症例の範囲がワイヤー矯正と比べてやや狭いという点も挙げられます。大きな歯の回転や、歯を大幅に圧下する必要がある症例では、マウスピース矯正だけでは対応が難しい場合があるのです。

装置の紛失や破損のリスクもあります。取り外しができる分、専用ケースでの保管を徹底しないと、紛失してしまう可能性があります。

治療期間と通院頻度の違い

矯正治療を検討する際、治療期間と通院頻度は重要な判断材料となります。

治療期間の比較

治療期間は、歯並びの状態によって大きく異なるため、一概に比較することは難しいのが実情です。数ヶ月で終わる軽度の症例もあれば、2年以上かかる複雑な症例もあります。

ただし、一般的な傾向として、ワイヤー矯正の方が治療期間を短縮できる可能性があります。これは、ワイヤー矯正が常に矯正力を働かせ続けることができ、かつ強い力で歯を動かせるためです。

マウスピース矯正は、プラスチックの弾力を利用した弱い力で少しずつ歯を動かしていくため、症例によってはワイヤー矯正よりも時間がかかることがあります。

通院頻度の違い

通院頻度にも違いがあります。ワイヤー矯正の場合、約1ヶ月に1回の通院が一般的です。歯科医師がワイヤーの調整や交換を行い、治療の進行状況を確認します。

一方、マウスピース矯正では、約1〜2ヶ月に1回の通院で済むことが多いです。患者さん自身が定期的にマウスピースを交換していくため、ワイヤー矯正ほど頻繁な調整が必要ないのです。

仕事や学業で忙しい方にとって、通院頻度が少ないというのは大きなメリットと言えるでしょう。

費用面での比較

矯正治療は自由診療のため、費用は医院によって異なります。

一般的な費用相場

ワイヤー矯正の費用相場は、全体矯正で約55万円〜80万円程度です。使用する装置の種類や治療の難易度によって、金額は変動します。

マウスピース矯正も同様に、約55万円〜80万円程度が相場となっています。ただし、部分矯正や軽度の症例であれば、30万円台から受けられるケースもあります。

費用に含まれる内容

矯正治療の費用には、通常、初診料、検査料、診断料、装置代、調整料、保定装置代などが含まれます。医院によっては、トータルフィーシステムを採用しているところもあり、治療開始前に総額が提示されるため、追加費用の心配がありません。

一方、来院ごとに調整料が発生するシステムの医院もあります。どちらのシステムを採用しているか、事前に確認することが大切です。

支払い方法

多くの歯科医院では、現金一括払いのほか、振込やデンタルローンなどの支払い方法を用意しています。デンタルローンを利用すれば、月々の負担を抑えながら治療を受けることができます。

目的別のおすすめ治療法

ここまで、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違いを詳しく見てきました。では、どのような方にどちらの治療法が適しているのでしょうか。

マウスピース矯正がおすすめの方

矯正治療を目立たせたくない方には、マウスピース矯正が適しています。透明な装置は、日常生活の中でほとんど気づかれることがありません。

また、食事を楽しみたい方や、口腔ケアを丁寧に行いたい方にもおすすめです。装置を取り外せるため、食事の制限がなく、歯磨きもこれまで通りに行えます。

痛みや違和感が苦手な方、金属アレルギーをお持ちの方にも、マウスピース矯正は適した選択肢と言えるでしょう。

ワイヤー矯正がおすすめの方

複雑な歯並びや噛み合わせの問題がある方には、ワイヤー矯正が適しています。幅広い症例に対応できるため、マウスピース矯正では難しいケースでも治療が可能です。

自己管理が苦手な方にも、ワイヤー矯正はおすすめです。固定式の装置のため、装着時間を気にする必要がなく、確実に治療効果が得られます。

治療期間を短縮したい方にとっても、ワイヤー矯正は有力な選択肢となるでしょう。

むらせ歯科幕張院のマウスピース矯正

当院では、世界的に高いシェアを誇る「インビザライン」を導入しています。透明で目立ちにくく、取り外し可能なため、口内の違和感を最小限に抑えることができます。

アプリを活用したコミュニケーション

当院では、患者さんとのコミュニケーションを円滑にするためのアプリを導入しています。スライドショーを使って歯の移動軌跡をチェックできるため、治療の進行状況が視覚的にわかりやすくなっています。

マウスピースの交換時期のお知らせにも役立ち、治療をスムーズに進めることができます。

虫歯・歯周病治療にも対応

矯正治療を始める前に、口内環境を整えることが何よりも重要です。当院では、矯正治療だけでなく、虫歯や歯周病の治療にも対応しています。

矯正専門のクリニックでは虫歯や歯周病の治療まで対応してくれないケースも多い中、当院ではこれらの治療も行っているため、安心して矯正治療を始めることができます。

顎関節トラブルへの配慮

歯並びや噛み合わせが悪いと、顎の関節にトラブルが見られることがあります。当院では、矯正前の初期治療として「スプリント療法」を実施することが可能です。

顎関節症起因の頭痛、肩こり、顎の痛みや疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの改善が期待できます。

子どもの矯正治療

子どもの矯正治療は、「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階に分かれます。Ⅰ期治療では、口呼吸、舌癖、逆嚥下などの習慣を改善するために「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」を使用します。

Ⅱ期治療は、歯並びが悪い、歯が回転してねじれた状態で生えてきた、上下の歯がうまく噛み合わないなどの問題がある場合に必要となります。

治療の流れと費用

矯正治療は、まず矯正相談からスタートします。その後、資料取り(口の状態や身体の状態を把握するための検査)、診断(資料の診断結果の説明)を経て、治療に移ります。

予防矯正は440,000円、本格矯正は唇側マルチブラケット矯正が770,000円〜880,000円、マウスピース矯正が880,000円〜1,100,000円(いずれも税込、患者さんによって金額は異なる)です。

治療後はメンテナンス・保定治療を行い、きれいに並んだ歯並びを維持します。歯並びは永久的なものではなく、加齢によって徐々にでこぼこが出てくるものです。アンチエイジングの意味でも、保定装置を用いたメンテナンスが必要になります。

まとめ

ワイヤー矯正とマウスピース矯正には、それぞれ異なる特徴があります。

ワイヤー矯正は、幅広い症例に対応でき、確実な治療効果が期待できる一方で、装置が目立ち、食事や歯磨きに制限があります。マウスピース矯正は、目立たず、取り外しができるという利便性がある一方で、装着時間の自己管理が必要で、適応症例がやや限られます。

どちらの治療法が適しているかは、歯並びの状態、ライフスタイル、治療に対する希望によって異なります。まずは歯科医師に相談し、ご自身に最適な治療法を見つけることが大切です。

当院では、患者さん一人ひとりの状態とご希望をお伺いしたうえで、最適な治療法をご提案しています。矯正治療に関する疑問や不安がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。美しい歯並びを手に入れ、健康で充実した毎日を送るお手伝いをさせていただきます。

 

永久歯が生える前に知っておきたい小児矯正の基本知識と最適なタイミング

2025年11月24日

お子様の歯並びが気になる保護者の方は多いのではないでしょうか。

永久歯が生え揃う前の時期は、お子様の顎の成長を利用して歯並びを整える絶好のチャンスです。しかし、「いつから始めればいいの?」「本当に必要なの?」といった疑問を抱く方も少なくありません。小児矯正は、成長期だからこそできる治療法であり、適切なタイミングで始めることで、将来的な大掛かりな矯正治療を避けられる可能性があります。

この記事では、東京歯科大学で学んだ専門知識と臨床経験をもとに、小児矯正の基本知識から最適な開始時期、治療の流れまで詳しく解説します。お子様の健やかな成長をサポートするために、ぜひ最後までお読みください。

小児矯正とは・・・成長期だからこそできる治療法

小児矯正は、成長期のお子様を対象とした矯正治療です。

大人の矯正治療と大きく異なるのは、顎の骨がまだ柔らかく成長途中にあるという点を活かせることです。この時期に治療を行うことで、顎の成長を正しい方向に導き、永久歯が自然にきれいに並ぶスペースを確保することができます。

顎の成長と歯並びの関係について理解することが重要です。人間の頭蓋骨は、脳頭蓋と顔面頭蓋に分かれており、それぞれ異なる発育過程をたどります。脳頭蓋は出生時に約60%完成しており、6歳までに成人の90%に達しますが、顔面頭蓋は出生時にわずか20〜30%しか完成していません。つまり、顔面頭蓋の大部分である70〜80%は生後に発育するため、この時期の環境の影響を大きく受けるのです。

特に注目すべきは、上顎と下顎の成長時期の違いです。

上顎は神経系の仲間として分類され、10歳の時点でほぼ100%成長が完了します。一方、下顎は腕や足などと同じ一般系に分類され、10歳時点ではまだ50%程度の成長段階にあり、20歳近くまで成長を続けます。この成長時期の違いを理解し、適切なタイミングで治療を行うことが、小児矯正の成功の鍵となります。

「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階アプローチ

小児矯正は、「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階に分かれます。

Ⅰ期治療は、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行う治療で、主に骨格の不調和を整えることを目的としています。この時期には、口呼吸、舌癖、逆嚥下などの習慣を改善するために「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」を使用することが一般的です。これらの悪習慣は、歯並びを悪化させる大きな原因となるため、早期に改善することが重要です。

Ⅱ期治療は、永久歯が生え揃った後に行う治療で、歯並びが悪い、歯が回転してねじれた状態で生えてきた、上下の歯がうまく噛み合わないなどの問題がある場合に必要となります。Ⅰ期治療で顎の骨を整え、永久歯がきちんと並ぶ土台ができている場合、Ⅱ期治療そのものが必要ない場合もあります。

小児矯正の目的と期待できる効果

小児矯正の最大の目的は、将来的なトラブルを予防することです。

成長期に顎の成長をコントロールすることで、永久歯が自然にきれいに並ぶスペースを確保し、抜歯を避ける可能性が高まります。大人の矯正では抜歯が必要になることがありますが、小児矯正では顎を広げたり成長を利用したりすることで、抜歯を避ける治療が可能になるのです。

また、歯並びや噛み合わせの改善により、発音の明瞭化や咀嚼機能の向上、顎関節トラブルの予防など、さまざまな効果が期待できます。歯並びが乱れていると、噛む力が十分に伝わらなかったり、発音が不明瞭になったりすることがあります。成長期のタイミングで矯正を始めることで、これらの問題を改善することが可能です。

小児矯正を始める最適なタイミング・・・6歳から12歳の混合歯列期がカギ

小児矯正を始める最適なタイミングは、お子様の歯の状態や成長によって異なります。

一般的には、乳歯から永久歯に生え変わる「混合歯列期」と呼ばれる6歳から12歳頃が最適とされています。この時期は顎の骨が柔らかく、成長も活発なため、歯や顎を動かしやすい時期です。この時期に矯正を行うことで、成長を利用しながら歯並びを整えることが可能になります。

上顎の成長期を逃さない・・・10歳以前の治療開始が重要

上顎の成長は10歳頃にほぼ完了します。

そのため、受け口(反対咬合)などの上顎の成長が抑えられている症状がある場合は、10歳以前に治療を始めることが重要です。上顎の成長期である10歳以前に、反対になった上下の咬み合わせを正常にしたうえで、上顎に成長のチャンスを与えてあげることが大切になります。

実際の症例では、3歳で治療を始めたケースもあります。乳歯列期に受け口を改善する「ムーシールド」という装置を使用することで、就寝時に装着するだけで舌や口腔周囲筋の状態が整えられ、反対咬合が改善します。早期に治療を行うことによって、正常な顎骨の成長発育の促進及び、永久歯の正しい生え変わりを期待できます。

混合歯列期の重要性・・・永久歯が並ぶスペースを確保

混合歯列期は、永久歯が正しく並ぶスペースを確保するために非常に重要な時期です。

乳歯が抜けた後に永久歯が生えてくる際、十分なスペースがないと歯が重なって生えてしまったり、ガタガタの歯並びになってしまったりします。この時期に「床矯正」などの装置を使用して顎を拡大することで、永久歯が並びきるスペースを作ることができます。

床矯正は、入れ歯のような取り外しのできる矯正装置を使用することで、発育途中にある子どもの顎の骨を広げて、抜歯をせずに歯並びを整える方法です。開始年齢は5〜7歳くらいが最適で、8、9歳でもできますが、10歳を過ぎると顎の拡大が難しくなるため、通常の矯正治療の適用になる可能性があります。

早すぎても遅すぎてもダメ?適切な開始時期の見極め方

小児矯正は早ければ早いほど良いというわけではありません。

お子様の成長のスピードは一人ひとりまったく異なるため、一概に「○歳から始めるのがいい」とはいえません。同年の子どもより6か月から9か月くらい時期が遅くても、気にすることはありません。ただし、左だけ犬歯が生えてきて右は生えてこないといった場合は、早めに相談することが望ましいとされています。

お子様の歯並びの初めての相談は、6歳ごろ(就学されるころ)、上顎の前歯の乳歯が永久歯に生え変わり始める時期が最適です。この時期に歯科医師による経過観察を行い、最適な時期に治療を始める判断をしてもらうことが重要です。成長や歯の生え変わりに合わせて、治療のタイミングを見極めることが大切です。

小児矯正が必要になる具体的な症状・・・早期発見が重要

小児矯正が必要になるかどうかは、歯の見た目だけでなく、噛み合わせや発音、顎の成長バランスにも影響します。

以下のような症状が見られる場合には、矯正治療の対象となることがあります。早期に発見し、適切な時期に治療を開始することで、より効果的な結果が期待できます。

出っ歯(上顎前突)・・・転倒時のリスクも考慮

上の前歯が大きく前に出ている状態です。

見た目の問題だけでなく、転倒した際に前歯をぶつけやすくなるなどのリスクがあります。顎のバランスを整えることで改善を目指します。上顎が前に出ている場合、下顎の成長を促したり、上顎の成長をコントロールしたりすることで、バランスの取れた顔貌と機能的な咬み合わせを獲得することができます。

受け口(反対咬合)・・・下顎の過度な発達を防ぐ

下の歯が上の歯より前に出ている状態です。

成長とともに下顎が過度に発達する可能性があります。早期の矯正により、正常な顎の成長を促すことができます。受け口は、日常生活の中で発見されやすい不正咬合のひとつです。気づいたときにすぐに矯正歯科に相談に行くことをおすすめします。

ガタガタの歯並び(叢生)・・・虫歯や歯周病のリスク増加

歯が重なって生えている、あるいはスペースが不足している状態です。

見た目だけでなく歯磨きがしにくく、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。永久歯が並びきるスペースがあるかどうかは、乳歯の時点でだいたい予想がつくので、前もって顎を拡大して永久歯が並びきるようにすることが重要です。

その他の不正咬合・・・開咬、過蓋咬合、すきっ歯

開咬は、前歯が上下で噛み合わず、常に口が開いてしまう状態です。発音や食べる機能に影響することがあります。過蓋咬合は、上の歯が下の歯を大きく覆ってしまう状態で、下の歯や歯ぐきを傷つけるリスクがあります。すきっ歯は、前歯の間に隙間がある状態で、永久歯がきちんと並ぶスペースが足りていない、あるいは余っている可能性があります。

これらの症状がある場合は、子ども本人が気づかなくても、親御さんが早めに気づいて相談することが大切です。初期の段階で対処することで、成長に合わせた効果的な治療が期待できます。

小児矯正の治療方法と装置・・・お子様に合った選択を

小児矯正には、さまざまな治療方法と装置があります。

お子様の年齢、歯並びの状態、治療の目的に応じて、最適な装置を選択することが重要です。ここでは、代表的な治療方法と装置について詳しく解説します。

歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)・・・習慣改善から始める

歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)は、歯を直接動かすのではなく、習慣の改善から歯並びを悪化させないようにするトレーニングを通じて理想の歯並びに近づけていく方法です。

口呼吸、舌癖、逆嚥下などの悪習慣を改善することで、顎の成長を促し、歯が生えるのに必要なスペースを確保します。「マイオブレーストレーナー」という取り外し可能な装置を着用し、舌・口・呼吸のトレーニングを行います。口呼吸・舌の突き出し・指しゃぶりなどが改善できます。

床矯正・・・顎を広げて永久歯のスペースを確保

床矯正は、入れ歯のような取り外しのできる矯正装置を使用することで、発育途中にある子どもの顎の骨を広げて、抜歯をせずに歯並びを整える方法です。

床矯正のメリットとして、装置は取り外しが可能で、通常の矯正装置より装置が目立ちにくく、通常の矯正装置より歯を動かす時の痛みが少ないという点があります。また、歯を抜かないで治療することができ、治療開始時期が早ければ早いほど、費用を抑えられます。

マウスピース矯正(インビザライン)・・・透明で目立ちにくい

マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の矯正装置を定期的に取り換えながら、歯並びを整える治療です。

世界的に高いシェアを誇る「インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正装置)」を使用することで、透明で目立ちにくく、取り外し可能なためお口の違和感を最小限に抑えることができます。これまでと変わらず食事を楽しむことができ、マウスピースを外せば歯磨きや装置の洗浄も簡単に行うことができる点は大きなメリットです。

ただし、器具を正しく装着していなかったり装着時間が守られていなかったりした場合、治療の効果が期待できないことがあります。また、歯の大幅な移動が必要な矯正では、マウスピースのみでは難しい場合もあります。

唇側マルチブラケット矯正・・・ワイヤー型の本格矯正

歯にワイヤー型の装置を取り付けて行う治療です。

すべての歯に矯正装置を装着し、理想的な歯並び、かみ合わせを目指す治療です。成人の方や、永久歯に生え変わったお子様が対象となります。ワイヤー矯正は、さまざまな症例に対応できる汎用性の高い治療方法です。

小児矯正の治療の流れ・・・矯正相談から保定治療まで

小児矯正の治療は、矯正相談から始まり、資料取り、診断、治療、保定治療という流れで進みます。

各ステップでどのようなことが行われるのか、詳しく見ていきましょう。治療の流れを理解することで、安心して治療を受けることができます。

矯正相談・・・不安や疑問を解消する第一歩

矯正相談では、歯並びの不安や疑問点などについて、お伺いし、最適な矯正治療プラン、時期、金額などについて、詳しくご説明します。

通院されている患者様については、相談料はかかりません。初めての方でも、お子様の歯並びについて気になることがあれば、気軽に相談することができます。この段階で、治療の必要性や開始時期について、専門的な見解を得ることができます。

資料取り・・・現在の状態を詳しく把握

ご相談から治療へ進む方には、現在のお口の状態や身体の状態などを詳しく把握するための検査を行わせていただきます。

検査では、お口やお顔の写真の撮影、レントゲン撮影、お口の内のスキャンを行います。ワイヤー矯正とマウスピース矯正とでは資料取りの内容が変わりますので、矯正方法を事前に決めておくとスムーズです。

診断・・・治療計画の詳細な説明

資料取りを行っていただいてから2週間後、再度ご来院頂いて資料の診断結果についてご説明させていただきます。

この診断では、患者様の現在の歯並びやお口の状態について詳しくご説明させていただき、治療の流れや費用などについてご案内させていただきます。治療計画に納得していただいた上で、治療を開始します。

治療開始・・・予防矯正または本格矯正

診断の結果を踏まえて、治療に移ります。

永久歯が生えそろう前のお子様の治療の場合、予防矯正から始める場合があります。予防矯正は、永久歯にすべてが生え変わる前のお子様が対象の矯正治療で、主に骨格に問題がある場合や、個々の歯の位置が悪く、放置してしまうと今後歯並びが悪化する可能性のある場合などが対象となります。大まかに、骨格の不調和を整える治療となります。

メンテナンス・保定治療・・・きれいな歯並びを維持

きれいに並んだ歯並びを維持するための治療です。

歯並びというのは、永久的なものではありません。歯は、加齢変化で徐々にでこぼこがでてくるものなのです。アンチエイジングの意味でも、きれいに並んだ歯をずっときれいに維持するためには保定装置を用いたメインテナンスが必要になります。定期的な通院により、後戻りを防ぎ、健康な歯並びを長期間維持することができます。

小児矯正の費用と治療期間・・・計画的な準備を

小児矯正の費用と治療期間は、治療内容や開始時期によって異なります。

予防矯正の費用は440,000円(税込)で、本格矯正は唇側マルチブラケット矯正が770,000円〜880,000円(税込)、マウスピース矯正が880,000円〜1,100,000円(税込)となります。患者様によって金額は異なりますので、詳しくは診断時にご確認ください。

治療期間の目安・・・個人差が大きい

咬合誘導治療の期間は、治療を始めるべき時期から12歳ころ(全て永久歯になるころ)までの期間となりますので、個人差が大きくなります。

顎の成長や歯の生えかわりを観察し、すべて永久歯が生えそろった時に、矯正歯科治療に入るかどうかを判断します。永久歯を並べる「矯正歯科治療」は、子どもの場合成長発育が落ち着くまで装置を外すことが出来ません。なぜなら、上顎骨と下顎骨は全く別の骨であり、全く違った成長発育をするからです。

来院間隔・・・1〜2カ月に1度のペース

咬合誘導治療の期間は、1〜2カ月に1度のペースで来院していただき、顎の成長発育ががどの程度進んでいるかなどを観察します。

また来院時には、歯のクリーニングやブラッシング指導、フッ化物塗布などの予防処置も実施します。お子さんの大切な歯の健康維持もサポートします。矯正歯科治療では定期的に歯の動きを観察しながら装置を調整していくことが大切です。欠かさず通院しましょう。

小児矯正のメリットとリスク・・・正しい理解が大切

小児矯正には多くのメリットがありますが、同時にリスクや副作用も存在します。

正しい理解のもとで治療を受けることが、成功への鍵となります。ここでは、小児矯正のメリットとリスクについて、詳しく解説します。

小児矯正のメリット・・・成長を味方につける

小児矯正の最大のメリットは、顎の成長を利用できることです。

小学生は顎の骨が成長途中にあり、柔軟性が高いため、矯正装置を使って顎の発育をコントロールすることができます。これにより、永久歯が並ぶスペースを確保しやすくなります。また、顎の発育を正しい方向に誘導することで、歯を無理に詰め込む必要がなくなり、永久歯が正しく生えるスペースが確保されるため、将来的な抜歯の必要が減ることがあります。

小児矯正を行うことで、大人になってから本格的な矯正治療を行う場合でも、治療期間が短縮される、もしくは治療が不要になることもあります。さらに、指しゃぶりや口呼吸、舌の癖などが原因で歯並びが悪くなる場合、小児矯正と同時にその癖を改善するトレーニングを行うことで、長期的に良好な口腔環境を維持できます。

矯正治療に伴う一般的なリスクや副作用

矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間〜1、2週間で慣れてきます。

歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。

治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。また、歯が動くと隠れていたむし歯があることが判明することもあります。

その他のリスクと注意点

歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。

ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。

治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。これらのリスクを理解した上で、治療を開始することが重要です。

むらせ歯科幕張院の小児矯正・・・包括的なアプローチ

むらせ歯科幕張院では、小児矯正だけでなく、虫歯や歯周病などの治療にも対応しています。

矯正治療を始めるうえで、何よりも重要なのは口内環境維持ですから、まずは虫歯や歯周病がないかしっかりとチェックし、必要があれば病気の治療から始めるのです。矯正専門のクリニックでは虫歯や歯周病の治療まで対応してくれないケースも多々見られるため、このような対応は珍しいかもしれません。

顎関節トラブルに配慮した治療

歯並びが悪い、噛み合わせが悪い、という人は、顎の関節にトラブルが見られることがあります。

矯正前の初期治療として、顎関節症などのトラブルを解決するスプリント療法(別途費用11万円・税込)を行い、矯正治療をより効果の高いものにしていくことができます。スプリント療法を実施することにより、顎関節症起因の頭痛、肩こり、顎の痛み、疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの改善を見込むことが可能です。

アプリを活用したコミュニケーション

矯正中は歯の移動具合がわかりにくいため、現在までにどの程度の変化があったか知ることができると励みになります。

患者さんとのコミュニケーションを円滑化するためのアプリを導入し、スライドショーを使って歯の移動軌跡をチェックできるようにしました。これにより、コミュニケーションだけではなくマウスピースの交換時期のお知らせにも役立っています。

まとめ・・・お子様の未来の笑顔のために

小児矯正は、成長期だからこそできる治療法です。

永久歯が生える前の6歳から12歳の混合歯列期に治療を開始することで、顎の成長を利用しながら歯並びを整えることができます。上顎の成長は10歳頃にほぼ完了するため、受け口などの症状がある場合は、10歳以前に治療を始めることが重要です。

小児矯正には、歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)、床矯正、マウスピース矯正(インビザライン)、唇側マルチブラケット矯正など、さまざまな治療方法と装置があります。お子様の年齢、歯並びの状態、治療の目的に応じて、最適な装置を選択することが重要です。

治療には、矯正歯科装置を付けた後の違和感や痛み、治療期間の延長可能性、むし歯や歯周病のリスク増加など、一般的なリスクや副作用があることも理解しておく必要があります。しかし、適切なタイミングで治療を開始し、定期的な通院と適切なケアを行うことで、これらのリスクを最小限に抑えることができます。

お子様の歯並びが気になる方は、まずは矯正相談から始めてみてはいかがでしょうか。専門的な見解をもとに、お子様に最適な治療計画を立てることができます。お子様の未来の笑顔のために、今できることから始めましょう。

 

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