歯列矯正の医院選び~失敗しない5つの基準と重要ポイント
2025年09月23日
歯列矯正の医院選びで失敗しないための基本知識
歯並びや噛み合わせの問題を改善したいと思ったとき、どの矯正歯科医院を選べばよいのか悩む方は多いのではないでしょうか。
歯列矯正は治療期間が長く、費用も高額になりがちです。そのため、医院選びは非常に重要なポイントとなります。実際に、医院選びを間違えると「思った通りの仕上がりにならなかった」「治療中のトラブルに対応してもらえなかった」など、後悔することになりかねません。
この記事では、歯科医師の視点から、失敗しない矯正歯科医院の選び方について詳しく解説していきます。矯正治療を検討されている方はぜひ参考にしてください。
矯正歯科医院を選ぶ際の5つの重要基準
矯正歯科医院を選ぶ際には、以下の5つの基準を重視することをおすすめします。これらのポイントを押さえることで、失敗のリスクを大きく減らすことができるでしょう。

1. 日本矯正歯科学会の認定医が在籍しているか
まず最も重要なのは、日本矯正歯科学会の認定医が在籍しているかどうかです。
日本矯正歯科学会の認定医になるためには、5年以上の矯正歯科に関する専門的な研修を受け、学会の試験に合格する必要があります。つまり、認定医の資格を持っている歯科医師は、矯正治療に関する十分な知識と技術を持っていると判断できるのです。
認定医の資格を持つ歯科医師がいるかどうかは、医院のホームページで確認できることが多いですが、日本矯正歯科学会のホームページでも検索可能です。最低でも認定医の資格を持った歯科医師が在籍している医院を選ぶことをおすすめします。
2. 矯正専門の歯科医院か一般歯科か
矯正歯科治療を受ける場合、矯正専門の歯科医院と一般歯科では、それぞれメリット・デメリットがあります。
矯正専門の歯科医院は、矯正治療に特化しているため、様々な症例に対応できる技術と経験を持っています。また、矯正装置が外れるなどのトラブルがあった場合、すぐに対応してもらえるというメリットもあります。
一方、一般歯科では矯正治療だけでなく、虫歯や歯周病の治療も同時に行えるメリットがあります。実は、矯正治療を始める前に口内環境を整えることは非常に重要なのです。
どうしようか迷ったときは、矯正専門の歯科医院を選ぶことをおすすめします。矯正治療の技術と経験が豊富であることが、治療の成功には何より重要だからです。
3. 複数の矯正装置を取り扱っているか
現在の矯正治療では、従来のワイヤー矯正だけでなく、マウスピース矯正など様々な選択肢があります。
患者さんの症状や歯の状態によって、最適な矯正装置は異なります。例えば、マウスピース矯正は見た目が目立ちにくく取り外しができるメリットがありますが、歯の大幅な移動が必要な場合には適していないことがあります。
そのため、複数の矯正装置を取り扱っている医院を選ぶことで、自分の症状や希望に合った最適な治療を受けられる可能性が高まります。医院のホームページや初回相談時に、どのような矯正装置を扱っているか確認してみましょう。
4. 治療費の明確さと支払い方法
矯正治療は保険が適用されない自費診療となるため、費用が高額になります。そのため、治療費が明確に提示されているかどうかも重要なポイントです。
治療費には、初診料、検査料、装置代、調整料、保定装置代などが含まれます。これらが総額でいくらかかるのか、また追加料金が発生する可能性があるのかを事前に確認しておくことが大切です。
さらに、一括払いだけでなく分割払いやデンタルローンなどの支払い方法が用意されているかも確認しておくとよいでしょう。
料金体系が明確で、患者さんに分かりやすく説明してくれる医院は信頼できる医院と言えます。
5. アフターケアやトラブル対応の体制
矯正治療は長期間にわたるため、途中でトラブルが発生する可能性もあります。そのため、アフターケアやトラブル対応の体制が整っているかどうかも重要です。
例えば、矯正装置が外れてしまった場合の緊急対応や、治療後の保定期間中のサポート体制などを確認しておくとよいでしょう。
また、治療終了後も定期的なメンテナンスが必要となるため、長期的なフォロー体制が整っている医院を選ぶことをおすすめします。
失敗しない矯正治療のための初診相談のポイント
矯正治療を始める前に、初診相談(カウンセリング)を受けることが一般的です。この初診相談で何を確認すべきか、そのポイントをご紹介します。
初診相談は、あなたと歯科医師との信頼関係を築く大切な機会です。ここでしっかりとコミュニケーションを取ることで、後悔のない治療を受けることができるでしょう。

初診相談で確認すべき5つのこと
初診相談では、以下の5つのポイントを必ず確認しましょう。
- ・治療方法の選択肢と、それぞれのメリット・デメリット
- ・治療期間の目安と通院頻度
- ・治療費の総額と支払い方法
- ・治療中・治療後に起こりうるリスクや副作用
- ・治療中のトラブル対応や保証内容
これらのポイントについて、歯科医師がわかりやすく丁寧に説明してくれるかどうかも、医院選びの重要な判断材料となります。
説明が不十分だと感じたり、疑問点が解消されなかったりする場合は、別の医院でセカンドオピニオンを求めることも検討してみてください。
どうですか?矯正治療は長期間にわたる大きな決断です。納得のいくまで相談することが大切ですよ。
マウスピース矯正と従来のワイヤー矯正の比較
矯正治療の方法として、近年人気が高まっているのがマウスピース矯正です。従来のワイヤー矯正と比較して、どのような特徴があるのでしょうか。
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使って歯を少しずつ動かしていく方法です。世界的に高いシェアを誇るインビザラインなどが有名です。
マウスピース矯正の最大の特徴は、透明で目立ちにくく、取り外しが可能な点です。食事の際にマウスピースを外せるため、食べ物の制限がなく、歯磨きや装置の洗浄も簡単に行えます。
一方、従来のワイヤー矯正(唇側マルチブラケット矯正)は、歯の表面に金属やセラミックの装置を取り付け、ワイヤーを通して歯を動かす方法です。
- ・マウスピース矯正のメリット:目立ちにくい、取り外し可能、食事制限なし、歯磨きしやすい
- ・マウスピース矯正のデメリット:自己管理が必要、複雑な症例には不向き、費用が高めの傾向
- ・ワイヤー矯正のメリット:複雑な症例にも対応可能、自己管理の負担が少ない、費用が比較的抑えられる
- ・ワイヤー矯正のデメリット:見た目が目立つ、食事制限がある、歯磨きが難しい
どちらの矯正方法が適しているかは、歯並びの状態や生活スタイル、予算などによって異なります。複数の矯正装置を取り扱っている医院で、自分に最適な方法を相談することをおすすめします。
子供の矯正治療を考える際の医院選びのポイント
お子さんの矯正治療を検討する場合、大人とは異なるポイントも考慮する必要があります。子供の矯正治療は「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階に分かれることが多いのです。
Ⅰ期治療は、永久歯がすべて生え揃う前の混合歯列期に行う治療です。この時期の治療では、歯並びを悪くする習慣の改善や、顎の成長をコントロールすることが主な目的となります。
具体的には、口呼吸、舌癖、逆嚥下などの習慣を改善するために「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」などを使用します。これにより、将来的な歯並びの悪化を防ぐことができます。
Ⅱ期治療は、永久歯がすべて生え揃った後に行う本格的な矯正治療です。歯並びが悪い、歯が回転してねじれた状態で生えてきた、上下の歯がうまく噛み合わないなどの問題がある場合に必要となります。
子供の矯正治療を検討する際は、以下のポイントを重視して医院を選びましょう。
- ・小児矯正の経験が豊富な歯科医師がいるか
- ・子供が通いやすい雰囲気や環境が整っているか
- ・Ⅰ期治療とⅡ期治療の両方に対応しているか
- ・保護者への説明がわかりやすいか
- ・定期的なフォローアップ体制が整っているか
子供の矯正治療は、将来の口腔内環境を大きく左右する重要な治療です。信頼できる医院で、お子さんに合った適切な治療を受けることが大切です。
矯正治療に伴うリスクと対策
矯正治療には、一般的にいくつかのリスクや副作用が伴います。医院選びの際には、これらのリスクについてしっかりと説明してくれる歯科医師を選ぶことが重要です。
矯正治療に伴う主なリスクとしては、以下のようなものがあります。
- ・装置装着後の違和感や痛み
- ・治療期間の延長可能性
- ・虫歯や歯周病のリスク増加
- ・歯根吸収(歯の根が短くなる現象)
- ・顎関節の痛みや違和感
これらのリスクは、適切な治療計画と日々のケアによって最小限に抑えることができます。
例えば、矯正装置を付けると歯磨きがしにくくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。そのため、矯正治療中は特に丁寧な歯磨きと定期的な歯科検診が重要となります。
また、歯並びが悪い、噛み合わせが悪いという人は、顎関節にトラブルが見られることもあります。そのような場合は、矯正治療の前に顎関節症などのトラブルを解決するための治療(スプリント療法など)を行うことも考慮すべきでしょう。
矯正治療のリスクについて詳しく説明し、それらを最小限に抑えるための対策を提案してくれる医院を選ぶことが、失敗しない矯正治療につながります。
まとめ:失敗しない矯正歯科医院選びの5つのポイント
この記事では、失敗しない矯正歯科医院の選び方について解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめておきます。
矯正歯科医院を選ぶ際の5つの重要ポイントは以下の通りです。
- ・日本矯正歯科学会の認定医が在籍している医院を選ぶ
- ・矯正専門の歯科医院を基本的に選ぶ(虫歯や歯周病の治療も必要な場合は対応可能か確認)
- ・複数の矯正装置を取り扱っており、症状に合わせた最適な治療法を提案してくれる医院を選ぶ
- ・治療費が明確で、支払い方法の選択肢がある医院を選ぶ
- ・アフターケアやトラブル対応の体制が整っている医院を選ぶ
また、初診相談では、治療方法の選択肢とそれぞれのメリット・デメリット、治療期間、費用、リスクなどについて詳しく説明を受けることが大切です。
矯正治療は長期間にわたる大きな決断です。焦らずに複数の医院を比較検討し、信頼できる歯科医師と出会うことが、成功する矯正治療への第一歩となります。
あなたにぴったりの矯正歯科医院が見つかり、素敵な笑顔を手に入れられることを願っています。






