学校検診で噛み合わせ指摘!保険適用で始める小児矯正相談の完全ガイド
2025年12月13日
学校検診で噛み合わせ指摘!保険適用で始める小児矯正相談の完全ガイド

学校検診で噛み合わせを指摘されたら、どうすればいい?
お子さまが学校から持ち帰った歯科検診の結果用紙に「歯列・咬合の異常」という文字を見つけたとき、多くの保護者の方は不安を感じるのではないでしょうか。
「矯正治療が必要なのか」「費用はどのくらいかかるのか」「保険は使えるのか」……。
そんな疑問が次々と浮かんでくるのは、ごく自然なことです。
実は、2024年6月から学校歯科健診で噛み合わせの異常を指摘された場合、保険適用で矯正相談を受けられる制度が始まりました。これは、矯正治療へのハードルを大きく下げる画期的な制度といえるでしょう。本記事では、東京歯科大学大学院を修了した歯科医師の視点から、学校検診後の適切な対応方法、保険適用の条件、小児矯正の実際について詳しく解説します。
学校歯科検診では何をチェックしているのか
学校で行われる歯科検診は、虫歯や歯並びの乱れといった異常のある児童を大まかにふるい分ける「スクリーニング」です。
歯科医院で受ける定期検診とは性質が異なります。
学校検診では、一人ひとりに十分な時間をかけたり、万全の設備を準備することが現実的に難しいため、疑わしいケースは広く拾い上げる方針がとられています。そのため、学校検診で異常を指摘されなくても、歯科医院の検診で問題が見つかることは決して珍しくありません。逆に、学校検診で指摘を受けても、詳しく診察すると問題ないケースもあります。

検診で評価される3段階の判定基準
学校歯科検診では、各項目について「0:異常なし」「1:要観察」「2:要精検」の3段階で評価されます。
歯列・咬合の状態については、以下のような基準があります。
- 「0」:特に問題はなく、成長発育の状態を観察する
- 「1」:現状に問題があるが、顎骨の成長によって問題がなくなる可能性がある
- 「2」:経過観察をしても改善が期待できず異常が確定している
「2:要精検」と判定された場合、具体的には以下のような状態が該当します。
- 叢生:隣接歯が互いの歯冠幅径の1/4以上重なるもの
- 正中離開:上顎中前歯間に6mm以上の間隙
- 反対咬合:3歯以上の反対咬合
- 上顎前突:オーバージェット8mm以上
- 開咬:上下顎前歯切線間に垂直的に6mm以上
ただし、学校検診は流れ作業的な側面があり、これらの基準に厳密に照らし合わせて判断されているわけではありません。正確な診断は、歯科医院でしかできないと考えていただくのが適切です。
学校検診では分からない重要な問題
学校検診では肉眼で目に見える箇所の検査しかできません。
小児の歯並びの問題として、顎の中に埋まっている歯に関する問題が大多数を占めます。腫瘍や嚢胞、過剰歯といった摘出手術が必要な状態、埋伏や異所萌出など永久歯が変な場所に存在し今後大きな問題が予想される状態、永久歯の先天性欠如といったものは、レントゲン撮影なしには発見できません。学校検診で問題なしと判定されても、定期的に歯科医院でレントゲン検査を含む詳しい検診を受けることが重要です。
2024年6月から始まった保険適用の矯正相談制度
令和6年度診療報酬改定により、画期的な制度が始まりました。
学校歯科健診で「歯列・咬合の異常(2:要精検)」を指摘された場合、保険適用で矯正相談を受けられるようになったのです。
これまでは、学校検診で異常を指摘されても、その後の矯正相談や診断にはすべて自費負担が必要でした。しかし、この制度により、どの歯科医院でも保険の中で矯正相談ができるようになりました。中学生までのお子さまの場合、窓口での自己負担金はありません。

保険適用で相談を受けるための条件
保険適用で初診相談と検査診断を受けるためには、学校で発行された「健診結果の報告用紙」が必要です。
この用紙を必ず持参してください。
対象となるのは、学校歯科健診で「歯列・咬合の異常(2:要精検)」という結果を受け取ったお子さまです。「要精検」とは、歯並びや噛み合わせに異常がある可能性があるため、歯科医院で詳しく調べてもらってくださいという意味です。
ただし、この制度で保険適用となるのは「相談のみ」です。矯正治療自体は、特定の条件を満たさない限り、基本的には自費診療となります。
矯正治療自体が保険適用になるケース
小児矯正でも、特定の条件を満たす場合には矯正治療自体が保険適用されるケースがあります。
例えば、重度の顎変形症で上下の顎の成長バランスに問題があり、噛み合わせをはじめ機能面に大きな影響を与える状態にあったり、口唇口蓋裂などの先天的な疾患に当てはまる場合です。これらは見た目以前に機能的な問題を伴うため、治療が「医療的必要性」に基づくものと判断され、保険が適用されます。
2024年4月の診療報酬改定で、保険適用の対象疾患は全66疾患となりました。新たに追加された疾患には、クリッペル・ファイル症候群、アラジール症候群、高IgE症候群、エーラス・ダンロス症候群、ガードナー症候群などがあります。約2年ごとに見直しが行われるため、過去に対象外だった方でも、現在は適用となる可能性があります。
また、永久歯が先天的に6本以上欠損している方、永久歯が3本以上埋伏している方、ホルモン分泌不全性低身長症の方といった特殊な状態の方も、保険で矯正治療が可能です。
ただし、保険適用で矯正治療を行う場合、治療を行う歯科医師が「顎口腔機能診断施設」として認定されていることが条件になります。認定を受けていない医院では保険適用が認められないため、医院選びが重要になります。
小児矯正の2段階治療「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」
子どもの矯正治療は、大きく分けて「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階に分かれます。
歯並びの状態によってはⅠ期治療のみで完了する場合もありますが、お子さまの身体的負担やご家庭の経済的負担を考慮して、Ⅱ期治療に移行することが望ましい場合もあります。

Ⅰ期治療~習慣改善と顎の成長誘導
Ⅰ期治療は、乳歯と永久歯が混在している混合歯列期に行われる治療です。
お子さまの歯並びが悪くなってしまう大きな原因には、噛み合わせや口の使い方の癖による口腔周囲筋の機能不全があります。具体的には、以下のような悪習慣が挙げられます。
- 口呼吸:日常的に口を開けたまま呼吸をしてしまう
- 舌癖:口を閉じている間に舌先が歯の裏に当たってしまっている
- 逆嚥下:食事を飲み込む際に舌が前側に出て行ってしまう
口呼吸をすると、舌が下顎に沿ったまま格納される状態になります。すると、上顎の成長を阻害してしまい、歯並びを悪くさせてしまうのです。また、病原菌が粘膜に直接付着しやすくなるため、風邪を引きやすくなるというデメリットもあります。
舌癖も要注意です。舌が常に歯に触れている状態の場合、歯に不自然な圧力をかけてしまうため、歯が前に出てしまうなどの弊害を生み出してしまう可能性があります。
Ⅰ期治療では、こうした歯並びを悪くしてしまう習慣を矯正するために「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」という方法で改善していきます。これは、歯を直接動かすのではなく、習慣の改善から歯並びを悪化させないようにするトレーニングを通じて理想の歯並びに近づけていく治療法です。
主に骨格に問題がある場合や、個々の歯の位置が悪く、放置してしまうと今後歯並びが悪化する可能性のある場合などが対象となります。大まかに、骨格の不調和を整える治療といえるでしょう。
Ⅱ期治療~本格的な歯列矯正
Ⅱ期治療は、永久歯に生え変わった後に行われる本格的な矯正治療です。
成人の方や、永久歯に生え変わったお子さまが対象となります。
すべての歯に矯正装置を装着し、理想的な歯並び、噛み合わせを目指す治療です。「歯並びが悪い」「歯が回転してねじれた状態で生えてきた」「上下の歯がうまく噛み合わない」などの問題がある場合に必要となります。
Ⅱ期治療の必要性については、確かな経験と実績を持つプロの予測判断に委ねられているところがあります。もし他の歯科医院で「Ⅱ期治療が必要」と言われて不安を抱いたときは、セカンドオピニオンとして別の専門医に相談することをおすすめします。
むらせ歯科幕張院の小児矯正~透明マウスピースと包括的治療
むらせ歯科幕張院では、透明なマウスピースを用いた矯正治療を提供しています。
特に世界的に高いシェアを誇る「インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正装置)」を導入しており、透明で目立ちにくく、取り外し可能なため口内の違和感を最小限に抑えられるという特徴があります。食事を楽しみながら、マウスピースを外せば歯磨きや装置の洗浄も簡単に行える利点があります。

アプリを活用した患者さんとのコミュニケーション
矯正中は歯の移動具合が分かりにくいため、現在までにどの程度の変化があったか知ることができると励みになります。
むらせ歯科幕張院では、患者さんとのコミュニケーションを円滑化するためのアプリを導入し、スライドショーを使って歯の移動軌跡をチェックできるようにしています。これにより、コミュニケーションだけではなくマウスピースの交換時期のお知らせにも役立っています。
虫歯・歯周病治療にも対応
むらせ歯科幕張院では、矯正治療に留まらず、虫歯や歯周病などの治療にも対応しています。
矯正治療を始めるうえで、何よりも重要なのは口内環境維持ですから、まずは虫歯や歯周病がないかしっかりとチェックし、必要があれば病気の治療から始めます。矯正専門のクリニックでは虫歯や歯周病の治療まで対応してくれないケースも多々見られるため、このような対応は珍しいかもしれません。
矯正器具も、歯に固定するタイプは特に汚れが付着しやすいことから、虫歯や歯周病を起こすリスクは高くなります。矯正治療を行う病院を選ぶときは、矯正前の口内環境を整える治療行為も重視しているかも判断材料にするといいでしょう。
顎関節トラブルへの配慮
歯並びが悪い、噛み合わせが悪いという人は、顎の関節にトラブルが見られることがあります。
むらせ歯科幕張院では矯正前の初期治療として、顎関節症などのトラブルを解決するスプリント療法(別途費用11万円・税込)を行い、矯正治療をより効果の高いものにしていくことができます。スプリント療法を実施することにより、顎関節症起因の頭痛や肩こり、顎の痛みや疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの改善を見込むことが可能です。
治療の流れと費用体系
むらせ歯科幕張院での矯正治療の流れは、まず矯正相談からスタートし、資料取り(口の状態や身体の状態を把握するための検査)、診断(資料の診断結果の説明)を経て、治療に移ります。
治療には予防矯正と本格矯正があり、永久歯がすべて生え揃う前のお子さまは予防矯正から始める場合があります。費用は以下の通りです。
- 資料取り・診断料:33,000円(税込)
- 予防矯正:440,000円(税込)、再診料3,300円/月
- 本格矯正(唇側マルチブラケット矯正):770,000円~880,000円(税込)、再診料5,500円/月
- 本格矯正(マウスピース矯正):880,000円~1,100,000円(税込)、再診料5,500円/月
予防矯正から本格矯正に移行した場合は、330,000円(税込)となります。治療後はメンテナンス・保定治療を行い、きれいに並んだ歯並びを維持します。再診料は3,300円/月です。
歯並びというのは、永久的なものではありません。歯は、加齢変化で徐々にでこぼこが出てくるものです。アンチエイジングの意味でも、きれいに並んだ歯をずっときれいに維持するためには保定装置を用いたメンテナンスが必要になります。
小児矯正を検討する際の重要ポイント
お子さまの矯正治療を検討する際には、いくつかの重要なポイントがあります。
保険適用に該当するかを確認する
お子さまの歯並びの問題が保険適用の対象となるかどうかは、専門医に診断を受けることで確認できます。
早い段階で相談することが重要です。
「先天性疾患」と聞くと、重篤な病気を連想される方も多いですが、実際には軽度で自覚がないまま診断されていたケースも少なくありません。乳児期に一時的な症状があり、病院で診断名がついたが今は問題なく成長している、小児科や他の医療機関で過去に診断されたが家族も忘れてしまっている、永久歯の萌出が進むまで判断できなかった「6歯以上の先天性部分無歯症」など、実は該当するかもしれないパターンが存在します。
こうした背景を踏まえ、まずはお子さまの過去の診断記録を確認することが大切です。また、新たに保険適用に追加される疾患もありますので、昔は保険適用できなかったけれど、今年から適用になるという場合もあります。
自費治療を選ぶ際の注意点
自費治療では、医院選びが治療結果に大きく影響します。
矯正専門医や認定医が在籍している医院を選ぶと安心です。
小児矯正は基本的に保険適用外ですが、成人矯正と比較すれば治療費用は安く済むことがほとんどで、早期治療は将来の歯並びや健康にとって大きなメリットをもたらします。
専門医と治療方針を相談する
お子さまの成長に合わせた治療計画を立てるため、専門医と十分な相談を行い、治療方針を決めましょう。
矯正歯科において、様子見にしましょう、経過観察をしていきましょうと言われることは少なくありません。矯正治療の開始は早ければ早いほど良いというものではなく、歯並びだけでなく顎の成長などを観察しながら、適切なタイミングを見極めることが重要であるためです。
ただし、以下のような症状がある場合には、近い将来に歯並びが乱れる可能性が高いと言えます。
- 鼻炎がある
- いびきをかいている
- うつぶせ寝でないと眠れない
- いつも口が開いている
- 立ったとき、座ったときの姿勢が良くない
場合によっては、セカンドオピニオンを利用されることをおすすめします。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクと副作用
矯正歯科治療には、以下のような一般的なリスクや副作用があることも理解しておく必要があります。
- 矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2週間で慣れてきます
- 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります
- 矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します
- 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜まりやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります
- 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります
- 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります
- 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合わせの「後戻り」が生じる可能性があります
これらのリスクを理解したうえで、専門医と十分に相談しながら治療を進めることが大切です。
まとめ~学校検診をきっかけに、お子さまの未来の笑顔を守る
学校歯科検診で噛み合わせの異常を指摘されたことは、お子さまの歯並びと健康について考える良い機会です。
2024年6月から始まった保険適用の矯正相談制度により、経済的な負担を抑えながら専門医の診断を受けられるようになりました。学校から受け取った健診結果用紙を持参すれば、中学生までのお子さまは窓口での自己負担金なしで相談を受けられます。
小児矯正は、Ⅰ期治療で口呼吸や舌癖などの悪習慣を改善し、Ⅱ期治療で本格的な歯列矯正を行う2段階のアプローチです。早期に適切な治療を開始することで、お子さまの将来の歯並びと健康に大きなメリットをもたらします。
むらせ歯科幕張院のように、透明なマウスピース矯正を提供し、虫歯や歯周病の治療にも対応し、顎関節トラブルにも配慮した包括的な治療を行う医院を選ぶことで、安心して治療を受けることができます。
歯並びが乱れていると、見た目のコンプレックスだけでなく、噛む機能・喋る機能の低下、歯・歯茎・顎の骨への余計な負担の増加、虫歯・歯周病リスクの上昇といった、さまざまな悪影響が及びます。お子さまの未来の笑顔を守るために、まずは専門医に相談してみてはいかがでしょうか。
むらせ歯科幕張院では、お子さまの歯並びに関する無料相談を実施しています。学校検診で指摘を受けた方も、そうでない方も、お気軽にご相談ください。経験豊富な専門医が、お子さまの成長に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。






