小児矯正はいつから始める?成長期における最も効果的な治療時期

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小児矯正はいつから始める?成長期における最も効果的な治療時期

小児矯正はいつから始める?成長期における最も効果的な治療時期

2025年10月21日

小児矯正の最適な開始時期とは?

お子さんの歯並びが気になり始めたとき、多くの親御さんが「矯正治療はいつから始めるべきか」という疑問を持ちます。早すぎても遅すぎてもいけないのでしょうか?

小児矯正の開始時期について、歯科医師として多くの患者さんからご質問をいただきます。実は、この「タイミング」が治療の効果を大きく左右するのです。

一般的に、小児矯正を始める最適な時期は6〜7歳頃と言われています。これは上下の前歯が4本ずつと奥の第一大臼歯(6歳臼歯)が生えてくる時期にあたります。

この時期が最適とされる理由は、顎の成長をコントロールしやすく、永久歯が生えるスペースを確保できるからです。早すぎると装置がすぐに合わなくなり、遅すぎると顎の成長を利用した治療ができなくなってしまいます。

では、具体的にどのような状態になったら矯正を検討すべきなのでしょうか?

小児矯正の2つのステージ(第一期・第二期治療)

小児矯正は大きく分けて「第一期治療」と「第二期治療」の2段階に分かれます。それぞれの特徴と目的を理解することが、お子さんの矯正治療を成功させる鍵となります。

第一期治療は、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」(6〜12歳頃)に行われます。この時期の治療目的は、顎の成長をコントロールし、永久歯が正しく並ぶスペースを確保することです。

顎の骨は子どもの時期には柔らかく、成長途上にあります。この特性を活かして、顎の幅を広げたり、上下の顎のバランスを整えたりすることができるのです。これにより、将来的な大掛かりな矯正治療や抜歯のリスクを減らすことが可能になります。

第二期治療は、永久歯がすべて生え揃った「永久歯列期」(12〜15歳頃)に行われます。この段階では、すでに生えている永久歯を一つずつ動かして、きれいに並べていきます。いわゆる「本格矯正」と呼ばれるものです。

第一期治療を適切に行うことで、第二期治療がスムーズに進んだり、場合によっては第一期治療だけで矯正が完了することもあります。

お子さんの成長に合わせた段階的なアプローチが、小児矯正の大きな特徴なのです。

小児矯正を始める最適なタイミングの見極め方

「うちの子はいつから矯正を始めるべき?」という質問をよくいただきます。実は、矯正開始の理想的なタイミングは、お子さん一人ひとりの歯の生え方や顎の成長によって異なります。

小学校入学を一つの目安にするとよいでしょう。6〜7歳になると、上下の前歯4本ずつと第一大臼歯が生えてきます。この時期に一度、矯正歯科を受診することをおすすめします。

ただし、以下のような状態が見られる場合は、もっと早い段階での相談が望ましいこともあります。

  • ・顎が小さく、歯が並ぶスペースが足りない
  • ・過剰歯(余分な歯)がある
  • ・先天的に永久歯が足りない(先天欠如)
  • ・第一大臼歯がうまく生えてこない
  • ・7歳になっても永久歯が生えてこない

これらの症状がある場合は、レントゲン写真を撮って永久歯の位置や状態をチェックすることが大切です。

また、歯並びだけでなく、お子さんの口の使い方にも注目しましょう。口呼吸、舌癖(舌が前歯に当たる癖)、逆嚥下(食べ物を飲み込むときに舌が前に出る)などの習慣は、歯並びを悪くする原因となります。

これらの問題は、第一期治療で使用する「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」などで改善できることが多いのです。

お子さんの歯並びや顎の発達が気になったら、まずは矯正歯科医に相談することをおすすめします。早期発見・早期治療が、お子さんの将来の歯並びを大きく左右するのです。

小児矯正のメリットと早期治療の効果

子どものうちから矯正治療を始めることには、大人になってからの矯正治療にはない大きなメリットがあります。その主な利点を見ていきましょう。

顎の成長を利用できる

子どもの顎の骨は柔らかく成長途上にあるため、適切な装置で誘導すれば、顎の形や大きさをコントロールすることができます。これは成長が止まった大人では難しい治療です。

特に10歳前後までは顎の拡大がしやすく、永久歯が並ぶスペースを確保しやすい時期です。このタイミングを逃すと、後の治療で抜歯が必要になるケースが増えてしまいます。

歯の移動がスムーズ

子どもの骨は柔らかいため、歯を動かすときの力も弱くて済みます。そのため、痛みも少なく、歯の移動もスムーズに行えることが多いのです。

また、歯根(歯の根っこ)の吸収リスクも比較的低く、歯の健康を保ちながら矯正治療を進められます。

抜歯リスクの低減

早期に顎を拡大して永久歯が並ぶスペースを確保することで、将来的に健康な歯を抜く必要がなくなる可能性が高まります。

歯は一度抜くと二度と生えてきません。できるだけ抜歯せずに治療できることは、お子さんの将来の口腔健康にとって大きなメリットです。

適応能力の高さ

子どもは大人に比べて適応能力が高く、矯正装置にも早く慣れる傾向があります。また、治療後の噛み合わせに対しても、歯や歯ぐき、周辺筋肉の適応力が高いのです。

これにより、治療効果が長期的に安定しやすくなります。

治療費と期間の節約

適切な時期に第一期治療を行うことで、第二期治療の期間を短縮できたり、場合によっては第二期治療が不要になることもあります。

結果として、トータルの治療期間が短くなり、治療費も抑えられる可能性が高まるのです。

小児矯正は単に見た目を良くするだけでなく、お子さんの将来の口腔健康を守るための重要な投資と言えるでしょう。

症状別に見る小児矯正の開始時期と治療期間

歯並びや噛み合わせの問題は様々です。症状によって最適な治療開始時期や治療期間が異なりますので、主な症状別にご説明します。

出っ歯(上顎前突)

上の前歯が前に出ている状態です。指しゃぶりや舌癖が原因になることもあります。早期に治療を始めることで、顎の成長をコントロールしながら改善できます。

治療期間は、第一期治療だけで2〜3年、必要に応じて第二期治療を加えると合計4〜5年かかることもあります。

受け口(下顎前突)

下の顎が前に出ている状態で、骨格の問題が関係するケースが多いです。早期発見・早期治療が特に重要な症状です。

成長に合わせて長期の経過観察が必要になるため、全体で5年以上かかる場合もあります。

すきっ歯(空隙歯列)

歯と歯の間に隙間がある状態です。顎のサイズに対して歯が小さい場合などに見られます。成長とともに自然に改善されることもありますが、必要に応じて1〜2年の治療が行われます。

八重歯・叢生(歯が重なっている)

歯が顎のスペースに入りきらず、デコボコに並んでしまう状態です。比較的多く見られる症状で、治療には3〜4年かかることが一般的です。

抜歯の必要があるかどうかによっても期間は変わります。早期に顎を拡大することで、抜歯を避けられる可能性が高まります。

開咬(前歯が噛み合わない)

前歯が上下で噛み合わず、奥歯だけで噛んでいる状態です。指しゃぶりや舌の癖が原因の場合が多く、癖の改善と矯正治療を併行して行う必要があります。

期間は2〜4年程度が目安ですが、口腔習慣の改善状況によって変わります。

過蓋咬合(かがいこうごう)

上の歯が下の歯を深く覆っている状態です。噛み合わせや見た目に影響を及ぼします。成長を見ながら段階的に調整していくため、3〜5年の治療になることがあります。

お子さんの症状や成長の度合いによって、最適な治療開始時期や期間は異なります。正確な治療計画については、矯正歯科医との相談が不可欠です。

小児矯正で使用する装置と治療法

小児矯正では、お子さんの年齢や症状に合わせて様々な装置が使用されます。それぞれの特徴と効果を見ていきましょう。

歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)

口呼吸、舌癖、逆嚥下などの口腔習慣を改善するための装置です。取り外し可能なマウスピース型で、1日数時間の装着と、舌・口・呼吸のトレーニングを組み合わせて行います。

これは第一期治療(Ⅰ期治療)でよく使用される方法で、歯を直接動かすのではなく、習慣の改善から歯並びを悪化させないようにするトレーニングを行います。

拡大床(かくだいしょう)

上顎を広げるための装置です。ネジを定期的に回すことで、徐々に顎の幅を広げていきます。永久歯が並ぶスペースを確保するのに効果的です。

特に混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に使用されることが多く、取り外し可能なタイプと固定式のタイプがあります。

保隙装置(ほげきそうち)

乳歯が早期に抜けた場合に、永久歯が生えるスペースを確保するための装置です。永久歯が正しい位置に生えてくるのをサポートします。

マルチブラケット装置(ワイヤー矯正)

歯一本一本に装置(ブラケット)を付け、ワイヤーで連結して歯を動かす方法です。第二期治療(Ⅱ期治療)でよく使用されますが、必要に応じて第一期治療でも部分的に使用されることがあります。

子どもの場合、カラフルなゴムを選べるなど、治療に楽しく取り組める工夫がされています。

インビザライン(マウスピース矯正)

透明なマウスピースを使用する矯正方法です。目立ちにくく、取り外しができるため、食事や歯磨きがしやすいのが特徴です。

主に第二期治療で使用されますが、症例によっては第一期治療でも使用されることがあります。

どの装置を使用するかは、お子さんの年齢、症状、生活習慣などを考慮して決定されます。矯正歯科医との十分な相談のもと、最適な治療法を選択することが大切です。

小児矯正を成功させるためのポイント

小児矯正は長期にわたる治療です。成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

適切な時期に専門医に相談する

小学校入学頃(6〜7歳)を目安に、一度矯正歯科を受診することをおすすめします。早期発見・早期治療が効果的な症例もあれば、経過観察が適切な場合もあります。

専門医による適切な診断と治療計画が、成功の第一歩です。

虫歯予防と口腔ケアの徹底

矯正装置があると歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。毎日の丁寧な歯磨きと、定期的な歯科検診が欠かせません。

虫歯は歯並びにも悪影響を及ぼすため、予防が非常に重要です。

お子さんの協力と理解

矯正治療は、お子さん自身の協力なしには成功しません。装置の装着時間を守る、指示通りのトレーニングを行うなど、日々の取り組みが重要です。

お子さんが治療の必要性を理解し、前向きに取り組めるよう、親御さんのサポートが大切です。

定期的な通院と経過観察

矯正治療中は、定期的な通院が必要です。装置の調整や、歯の動きの確認、成長の評価などを行います。

予約をきちんと守り、医師の指示に従うことで、治療を計画通りに進めることができます。

治療後の保定期間の重要性

矯正治療が終わった後も、歯並びを維持するための「保定装置」の使用が必要です。この時期をしっかり過ごすことで、治療結果を長期的に維持できます。

小児矯正は、お子さんの成長と共に進める治療です。親御さん、お子さん、そして矯正歯科医の三者が協力して取り組むことで、最大の効果を得ることができます。

まとめ:お子さんの笑顔を守るための小児矯正

小児矯正の最適な開始時期は、一般的には6〜7歳頃(小学校入学時期)と言われています。この時期は上下の前歯と第一大臼歯が生えてきて、顎の成長をコントロールしやすい時期です。

小児矯正には、「第一期治療」(混合歯列期:6〜12歳頃)と「第二期治療」(永久歯列期:12〜15歳頃)の2つのステージがあります。

第一期治療では顎の成長を利用して歯が並ぶスペースを確保し、第二期治療では永久歯を一つずつ動かして歯並びを整えます。

子どものうちから矯正を始めるメリットとしては、顎の成長を利用できる、歯の移動がスムーズ、抜歯リスクの低減、適応能力の高さ、治療費と期間の節約などが挙げられます。

症状によって最適な治療開始時期や期間は異なりますので、お子さんの歯並びや顎の発達が気になったら、まずは矯正歯科医に相談することをおすすめします。

小児矯正を成功させるためには、適切な時期に専門医に相談する、虫歯予防と口腔ケアの徹底、お子さんの協力と理解、定期的な通院と経過観察、治療後の保定期間の重要性を理解することが大切です。

お子さんの健やかな成長と美しい笑顔のために、適切なタイミングでの小児矯正をご検討ください。専門医との相談を通じて、お子さん一人ひとりに最適な治療計画を立てることが、成功への近道です。

 

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