小児矯正を成功に導く親のサポート方法〜専門医からのアドバイス

診療時間
09:30 ~ 13:30 / / /
15:00 ~ 18:00 / / /
  • ※休診日:水・日・祝

tiktok
instagram
  • 電話でのご予約 043-307-6681
  • WEB予約
小児矯正を成功に導く親のサポート方法〜専門医からのアドバイス

小児矯正を成功に導く親のサポート方法〜専門医からのアドバイス

2025年10月21日

お子さんの歯並びが気になり始めたとき、多くの親御さんは「いつから矯正を始めるべきか」「どのようにサポートすればいいのか」と悩まれるものです。小児矯正は単に歯を並べるだけでなく、お子さんの将来の健康や自信にも大きく影響する重要な治療です。

私は東京歯科大学を卒業後、長年にわたり小児矯正に携わってきました。その経験から言えることは、矯正治療の成功には親御さんのサポートが欠かせないということです。

小児矯正の基本と親の役割

小児矯正は、単に見た目を良くするだけではありません。正しい噛み合わせを作ることで、消化機能の向上、発音の改善、さらには顎関節症の予防にもつながる重要な治療なのです。

子どもの矯正治療は大きく「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階に分かれます。Ⅰ期治療では主に口呼吸や舌癖などの習慣改善を、Ⅱ期治療では歯並びそのものを整えていきます。この長期にわたるプロセスを成功させるためには、親御さんの継続的なサポートが不可欠です。

矯正治療は医院での処置だけでは完結しません。家庭での適切なケアとサポートがあって初めて、理想的な結果につながるのです。

では、親御さんは具体的にどのようなサポートができるのでしょうか?

日常生活での具体的なサポート方法

小児矯正を成功させるためには、日々の生活の中でのサポートが重要です。特に以下のポイントに注意しましょう。

1. 歯磨きのサポート

矯正装置を付けると、通常よりも歯磨きが難しくなります。特にブラケットやワイヤーの周りは食べ物が溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

子どもだけでは十分な清掃が難しいため、親による「仕上げ磨き」が必要です。一般的には10歳前後まで続けることが推奨されていますが、矯正中はそれ以上の年齢でも必要な場合があります。

特に6歳臼歯(第一大臼歯)が生える6〜9歳頃は磨き残しが多く、親のサポートが欠かせません。乳歯と永久歯が混在する時期は歯並びが複雑で、子どもだけでは磨ききれないのです。

2. 食事内容と食べ方の指導

矯正装置を付けている間は、硬すぎる食べ物や粘着性の高いものは避けるよう指導しましょう。具体的には、生のニンジンやリンゴ、キャラメルやグミなどです。

また、食べ物を小さく切ったり、ゆっくり噛む習慣をつけることも大切です。前歯で噛み切る動作は装置に負担をかけるため、奥歯で噛むよう教えてあげましょう。

食後は必ず歯磨きをする習慣をつけることも重要です。外出先でも携帯用の歯ブラシを持参し、食べたらすぐに軽く磨くことを習慣化させましょう。

子どもが自分で責任を持って取り組めるよう、少しずつ自立を促すことも大切です。

3. 装置の管理と異常の早期発見

マウスピースタイプの装置は取り外しができるため、紛失や破損のリスクがあります。専用のケースを用意し、外した時は必ずそこに保管する習慣をつけましょう。

また、装置に違和感や痛みがある場合は、すぐに歯科医院に相談するよう子どもに教えることも重要です。小さな問題でも放置すると治療期間が延びる原因になります。

親御さんも定期的に装置の状態をチェックし、異常がないか確認してください。ワイヤーが外れていたり、装置が破損していたりする場合は、早めに歯科医院に連絡しましょう。

心理的サポートの重要性

矯正治療は長期間にわたるため、子どもが途中で嫌になってしまうことも少なくありません。特に装置装着後の違和感や痛み、友達からの反応などに悩むケースもあります。

親御さんの心理的サポートは、治療を続ける上で非常に重要です。

1. 前向きな声かけと励まし

「頑張っているね」「歯並びが少しずつ良くなっているよ」など、ポジティブな声かけを心がけましょう。小さな変化や努力を認めることで、子どもの治療へのモチベーションを保つことができます。

装置の装着や管理ができたときは、しっかり褒めてあげることも大切です。「今日もちゃんとマウスピースをつけられたね」「歯磨きをしっかりできたね」など、具体的に褒めることで自信につながります。

2. 同じ経験を持つ仲間との交流

矯正治療中の子ども同士が交流できる機会を作ることも効果的です。「自分だけじゃない」という安心感は、治療を続ける大きな支えになります。

矯正治療を経験した年上の子どもや大人の話を聞かせることで、「頑張れば必ず良くなる」という希望を持たせることもできます。

私自身も子どもの頃に矯正治療を経験しました。最初は大変でしたが、今では健康的な歯並びに感謝しています。そんな実体験を子どもに話してあげることも良いでしょう。

3. 治療の意義を分かりやすく説明

年齢に応じて、矯正治療がなぜ必要なのかを分かりやすく説明しましょう。単に「きれいな歯並びになるため」だけでなく、「食べ物をよく噛めるようになる」「歯を磨きやすくなって虫歯になりにくくなる」など、具体的なメリットを伝えることが大切です。

将来の自分をイメージできるよう、治療前と治療後の写真を見せることも効果的です。「こんなふうに変わるんだよ」と具体的に示すことで、治療のゴールが見えやすくなります。

子どもが質問してきたときは、誠実に答えることも重要です。分からないことは「一緒に先生に聞いてみよう」と提案し、子どもの不安を取り除いてあげましょう。

歯科医院との連携とコミュニケーション

小児矯正の成功には、家庭と歯科医院の密な連携が欠かせません。定期的な通院はもちろん、日常的なコミュニケーションも重要です。

1. 定期検診の徹底

予約された定期検診は必ず守りましょう。検診をスキップすると、問題が見過ごされたり、治療計画の調整が遅れたりする可能性があります。

特に成長期のお子さんは、顎の成長に合わせた調整が必要になることも多いため、定期的なチェックが重要です。

急な予定変更が必要な場合は、できるだけ早く連絡し、代替の日程を確保するよう心がけましょう。

2. 家庭での状況を正確に伝える

装置の使用状況や子どもの様子など、家庭での状況を正確に伝えることが大切です。「実はマウスピースをつけていない日があった」「痛みがあって食事が取りにくそうだ」など、些細なことでも伝えておくことで、適切な対応が可能になります。

子どもが医院で言いづらいことも、親がフォローすることで解決につながることがあります。ただし、子どもの自立心を尊重し、年齢に応じて自分で伝える機会も作ってあげましょう。

3. 治療計画の理解と質問

治療計画をしっかり理解し、分からないことは遠慮なく質問しましょう。「なぜこの装置を使うのか」「どのくらいの期間が必要か」など、具体的に聞いておくことで、家庭でのサポートもスムーズになります。

また、治療の進捗状況についても定期的に確認し、当初の計画通りに進んでいるかチェックすることも大切です。

歯科医院によっては、アプリを活用して患者さんとのコミュニケーションを円滑化しているところもあります。むらせ歯科幕張院では、スライドショーを使って歯の移動軌跡をチェックできるアプリを導入しており、マウスピースの交換時期のお知らせにも役立てています。

こうしたツールを積極的に活用することで、治療への理解が深まり、お子さんのモチベーション維持にもつながります。

矯正治療中の生活習慣の改善

矯正治療の効果を最大限に引き出すためには、悪い習慣を改善することも重要です。特に以下の点に注意しましょう。

1. 口呼吸・舌癖の改善

口呼吸や舌癖は歯並びを悪化させる大きな原因です。口を閉じて鼻で呼吸する習慣をつけることが大切です。

口呼吸をすると、舌が下顎に沿ったまま格納される状態になり、上顎の成長を阻害してしまいます。また、病原菌が粘膜に直接付着しやすくなるため、風邪を引きやすくなるというデメリットもあります。

舌癖(舌が常に歯に触れている状態)も要注意です。これにより歯に不自然な圧力がかかり、歯が前に出てしまうなどの問題が生じます。

Ⅰ期治療では、こうした習慣を改善するために「歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)」という装置を使用することがあります。家庭でも意識して改善を促していきましょう。

2. 姿勢の改善

歯並びは噛み合わせや舌の使い方だけでなく、姿勢にも関係しています。猫背や前かがみの姿勢は、顎の位置にも影響を与えます。

正しい姿勢を保つよう意識づけることも、矯正治療をサポートする重要なポイントです。背筋を伸ばして座る習慣や、スマートフォンやゲームを見る時の姿勢にも注意しましょう。

親御さん自身が見本となって、良い姿勢を示すことも効果的です。家族で一緒に姿勢改善に取り組めば、子どもも楽しく続けられるでしょう。

小さな習慣の積み重ねが、治療の成功につながります。日々の生活の中で、少しずつ改善していきましょう。

まとめ:小児矯正成功のカギは親のサポート

小児矯正を成功させるためには、歯科医院での治療だけでなく、家庭での継続的なサポートが不可欠です。日常的な歯磨きのサポート、食事内容の管理、装置の適切な使用、心理的な励まし、そして歯科医院との密な連携が重要です。

特に子どもの年齢や発達段階に合わせたサポートを心がけ、徐々に自立を促していくことが大切です。最初は親がしっかりサポートしながら、少しずつ子ども自身が責任を持って取り組めるよう導いていきましょう。

矯正治療は長期間にわたるため、時には子どもも親も疲れてしまうことがあるかもしれません。そんな時こそ、治療の目的を思い出し、将来の健康な歯並びをイメージすることが大切です。

私たち歯科医師も、お子さんの治療がスムーズに進むよう全力でサポートします。どんな小さな疑問や不安も、遠慮なく相談してください。

お子さんの健やかな成長と美しい笑顔のために、一緒に頑張りましょう。

 

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

WEB予約

電話番号

043-307-6681

〒261-0026
千葉県千葉市美浜区幕張西4丁目2番12号
イオンタウン幕張西2階

このページの先頭に戻る